2017年11月17日から19日までシンガポールで開催されている欧州臨床腫瘍学会アジア会議(ESMO ASIA)2017にて、進行再発大腸がんアジア人患者に対する二次治療としてのmXELIRI療法の有用性を証明した第III相のAXEPT試験(NCT01996306)の結果が発表された。

本試験は、治癒切除不能進行再発大腸がんアジア人患者(N=650人)に対して二次治療として3週間に1回の投与間隔でmXELIRI(イリノテカン200mg/m2、カペシタビン(商品名ゼローダ;以下ゼローダ)1600mg/m2)療法±ベバシズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)を投与する群、または2週間に1回の投与間隔でFOLFIRI±アバスチンを投与する群に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目であるFOLFIRI群に対する全生存期間(OS)の非劣勢(ハザードリスク比の95%信頼区間上限値1.3未満と定義)を検証した日本、韓国、中国で実施された国際多施設共同の第III相試験である。

本試験の結果、フォローアップ期間中央値15.8ヶ月時点における主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はmXELIRI群16.8ヶ月、FOLFIRI群15.4ヶ月、FOLFIRI群に対するmXELIRI群の非劣勢(ハザードリスク比0.85,95%信頼区間:0.71-1.02,非劣勢検定P<0.0001) が証明された。

同様に、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はmXELIRI群8.4ヶ月、FOLFIRI群7.2ヶ月、FOLFIRI群、mXELIRI群ともに統計学的な違いがない(ハザードリスク比0.95,95%信頼区間:0.81-1.11,P=0.5078) ことが証明された。

一方の安全性としては、グレード3/4の有害事象(AE)発症率はmXELIRI群53.9%(N=167人)、FOLFIRI群72.3%(N=224)、FOLFIRI群に対してmXELIRI群の方が統計学的有意に減少する(P<0.0001)ことが証明された。また、最も一般的なグレード3/4の有害事象(AE)としては好中球減少症でありmXELIRI群16.8%(N=52人)、FOLFIRI群42.9%(N=133)で、懸念されていた下痢はmXELIRI群7.1%、FOLFIRI群3.2%であり管理可能であることが確認された。

本試験の有効性、安全性の結果を受けて、韓国・ソウル峨山病院腫瘍学・教授で本試験のリードオーサーであるTae Won Kim氏は以下のように述べている。”AXEPT試験の結果より、全生存期間(OS)におけるFOLFIRI群に対するmXELIRI群の非劣勢が証明されました。低用量イリノテカン、ゼローダへと減量したmXELIRI療法は、進行再発大腸がんの標準治療であるFOLFIRIに代わる選択肢になり得ることが証明されました。”

また、スペイン・バルセロナ・Vall d'Hebron Institute of Oncology所属で本試験の代表治験医師の1人であるRodrigo Dienstmann氏は以下のように述べている。”ゼローダは経口投与可能である抗がん剤のため、静注フッ化ピリミジン系薬剤に比べて利便性が高いです。しかし、最大用量のゼローダを含んだmXELIRI療法は下痢をはじめ毒性が非常に高いです。AXEPT試験の主な目的は、ゼローダ、イリノテカンの用量を減少したmXELIRI療法により、全生存期間(OS)をはじめとした有効性を損なわないことです。本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)のFOLFIRI群に対するmXELIRI群の非劣勢が証明し、有害事象(AE)発症率もFOLFIRI群より減少していました。想定通り下痢は発症こそしましたが、許容の範囲以内でした。本試験の結果は、進行再発大腸がんの二次治療としてのmXELIRI療法の処方を促進し、患者さんにとっての利便性を向上させることでしょう。”


この記事に利益相反はありません。

人気記事