2017年11月15日、内分泌療法後の疾患進行を伴うヒト上皮増殖因子受容体2陰性(HER2-)ホルモン受容体陽性(HR+)進行性または転移性乳がん患者に対するフルベストラント(商品名フェソロデックス)+ サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬であるアベマシクリブ(商品名バーゼニオ)併用療法での適応が、米国食品医薬品局(FDA)より承認されたことをアストラゼネカ社が自社のプレスリリースで公表した。

今回の承認は、内分泌療法後に再発または増悪したヒトHER2陰性HR陽性進行乳がん患者(N=669人)に対してフェソロデックス+バーゼニオ併用療法を投与する群、またはフェソロデックス+プラセボ併用療法を投与する群に無作為に2:1の割合で振り分け、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS) を比較検証した第III相試験であるMONARCH2試験(NCT02107703)の結果に基づいている。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はフェソロデックス+バーゼニオ併用療法群16.4ヶ月、フェソロデックス+プラセボ併用療法群9.3ヶ月、フェソロデックス+バーゼニオ併用療法群で病勢進行または死亡のリスク(PFS)が44.7%(ハザード比:0.553,95%信頼区間:0.449-0.681、P<0.0001)統計学的有意に減少することが証明された。

今回の米国食品医薬品局(FDA)より効能拡大の承認を受けて、アストラゼネカ社・オンコロジービジネス部門責任者であるDave Fredrickson氏は以下のように述べている。”フェソロデックス単剤療法は、進行性乳がんの中で最も一般的な病型であるHR陽性進行乳がんの有用性のある治療選択肢でした。本日、米国食品医薬品局(FDA)より承認を受けたフェソロデックス+バーゼニオ併用療法は、化学療法を使用せずに進行性乳がんの治療が可能になる選択肢を患者さんに届けることになるでしょう。”

また、アメリカ合衆国・ニューハンプシャー州にあるNorris Cotton Cancer Center所属のPeter A. Kaufman氏は以下のように述べている。”今回のフェソロデックスの適応拡大は、内分泌療法後に再発または増悪したHER2陰性HR陽性進行性乳がん患者に新しい治療選択肢を提供することになります。フェソロデックス+バーゼニオ併用療法群がフェソロデックス+プラセボ併用に対して統計学的有意に無増悪生存期間(PFS)を延長することを証明したMONARCH2試験の結果が、今回の承認を後押ししました。”

米国食品医薬品局(FDA)の承認日同日、フェソロデックスは内分泌療法後の疾患進行を伴うHER2陰性HR陽性進行性乳がん患者に対するフェソロデックス)+サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬であるパルボシクリブ(商品名イブランス;以下イブランス)併用療法での適応追加が欧州委員会(EC)より承認されている。

サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬は、ホルモン療法に効果を示さない原因の1つであるサイクリングDと呼ばれるタンパク質の過剰発現に関連したがん増殖を抑制する作用機序を持つ薬剤である。

そのため、今回の米国食品医薬品局(FDA)と欧州委員会(EC)の承認は、ホルモン受容体陽性(HR+)進行性乳がんに対するホルモン療法であるフェソロデックスとサイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬の併用療法が、有用性の高い治療であることを認めた証左である。


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