第三の免疫チェックポイント阻害薬アテゾリズマブ(テセントリク)
テセントリクは、PD-1抗体ニボルマブ(商品名オプジーボ)やペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)と同じ免疫チェックポイント阻害薬となるが、PD-L1抗体となりターゲットが異なる。 アメリカ食品医薬品局(FDA)は、2016年10月19日に「プラチナ製剤を含む化学療法に対して病態進行した転移性非小細胞肺がん(EGFR遺伝子変異、ALK遺伝子変異対象外)」の適応として承認しており、日本では今月6日に厚生労働省 薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会にて了承されたため、間もなく承認されるであろう薬剤となる。 IMpower150試験は、化学療法未施行のステージIV非扁平上皮NSCLC患者さんを対象に、テセントリクの化学療法との併用レジメンにおける有効性と安全性を化学療法併用レジメンと比較検討した、オープンラベルランダム化多施設共同第III相臨床試験である。 本試験の試験デザイン1,202名の患者さんを以下のA~C群に1:1:1の割合でランダム化し、各群の投与レジメンに従い3週に1回間隔で薬剤を投与した。A群:テセントリク(1,200mg静注)+カルボプラチン(AUC 6)+パクリタキセル(200mg/m2静注)
B群:テセントリク(1,200mg静注)+カルボプラチン(AUC 6)+パクリタキセル(200mg/m2静注)+ベバシズマブ(15mg/kg静注)
C群:カルボプラチン(AUC 6)+パクリタキセル(200mg/m2静注)+ベバシズマブ(15mg/kg静注)
※患者が臨床的ベネフィットを享受していると治験担当医師が評価している限り、または許容不能な有害事象が認められるまで継続
主要評価項目は、ALK又はEGFRの遺伝子変異患者を除くITT(Intent to treat)解析集団ならびにT細胞活性調整因子(Teff)の遺伝子発現により層別化した集団における無増悪生存期間(PFS)およびITT解析集団の全生存期間(OS)となり、今回の解析結果はB群対C群でのみ統計学的な比較を行っている。