2017年11月10日、小児のフィラデルフィア染色体(Ph)陽性慢性期(CP)慢性骨髄性白血病(CML)患者に対するダサチニブ(商品名スプリセル)単剤療法の適応拡大が米国食品医薬品局(FDA)より承認されたことをブリストル・マイヤーズ スクイブ社は自社のプレスリリースで公表した。

今回の適応拡大の根拠は、小児フィラデルフィア染色体陽性慢性期慢性骨髄性白血病患者合計97人を対象にした2つの臨床試験であるNCT00306202試験、NCT00777036試験の結果に基づくものである。なお、97人の内51人は慢性期慢性骨髄性白血と新規に診断された患者、97人の内46人はイマチニブ(製品名グリベック)治療後の患者である。

両試験では、小児フィラデルフィア染色体陽性慢性期慢性骨髄性白血病患者(N=97人)に対して1日1回スプリセル60mg/m2(N=91人)を病勢進行または許容できない毒性発現まで継続投与し、有効性評価項目として細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)、細胞遺伝学的大寛解(MCyR)、分子遺伝学的大奏効(MMR)を評価した。

本試験の結果、フォローアップ期間24ヶ月時点における新規診断患者(N=51人)、グリベック治療歴のある患者(N=46人)別の細胞遺伝学的完全寛解率(CCyR)はそれぞれ96.1%(86.5-99.5%)、82.6%(68.6-92.2%)であった。

また、細胞遺伝学的大寛解(MCyR) はそれぞれ98.0%(89.6-100%)、89.1%(76.4-96.4%)、分子遺伝学的大奏効(MMR) はそれぞれ74.5%(60.4-85.7%)、52.2%(36.9-67.1%)であった。

なお、フォローアップ期間4.5年時点の新規診断患者(N=51人)における細胞遺伝学的完全寛解期間(CCyR)、細胞遺伝学的大寛解期間(MCyR)、分子遺伝学的大奏効期間(MMR)、フォローアップ期間5.2年時点のグリベック治療歴のある患者(N=46人)における細胞遺伝学的完全寛解期間(CCyR)、細胞遺伝学的大寛解期間(MCyR)、分子遺伝学的大奏効期間(MMR)はともに未到達である。

一方の安全性としては、スプリセル投与による重篤な治療関連有害事象(AE)が14.4%の患者で確認された。15%以上の患者で発症が確認された最も一般的な有害事象は骨髄抑制、頭痛、吐き気、下痢、皮膚障害、四肢などの痛みであった。

以上の2つの臨床試験結果によるスプリセルの適応拡大が米国食品医薬品局(FDA)より承認されたことを受け、小児がん患者を支援する組織であるCoalition Against Childhood Cancer・社長・Vickie Buenger氏は以下のように述べている。”小児の慢性骨髄性白血病は非常に稀で、その発症率は小児の白血病の3%未満です。また、成人よりも若年者の方が疾患進行は早く、近年まで治療選択肢が少ない疾患でした。この度の米国食品医薬品局(FDA)によるスプリセルの小児フィラデルフィア染色体陽性慢性期慢性骨髄性白血病の適応拡大の承認は患者とその家族に希望を届けることでしょう。”

また、コロラド大学小児病院・Lia Gore氏は以下のように述べている。”小児の慢性期慢性骨髄性白血病患者の治療選択肢は限られています。そして、患者数が非常に少ないこの疾患で新しい治療選択肢の可能性を検証する臨床試験を実施することは非常にチャレンジあることです。今回の適応により、スプリセルは小児のフィラデルフィア染色体陽性慢性期慢性骨髄性白血病患者のアンメッドメディカルニーズを満たす新しい治療選択肢になることでしょう。”


この記事に利益相反はありません。

人気記事