2017年11月9日、前治療歴のある原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)、CD30陽性菌状息肉腫(MF)患者に対するブレンツキシマブベドチン(商品名アドセトリス)単剤療法が米国食品医薬品局(FDA)より承認を受けたことをシアトル・ジェネティクス社が自社のプレスリリースで公表した。なお、これら疾患は皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の中で最も一般的な病型である。

今回の承認は第III相のALCANZA試験(NCT01578499)と2つの第II相臨床試験の合計3つの臨床試験結果に基づいている。ALCANZA試験とは、化学療法または放射線療法の治療歴のある原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)、菌状息肉腫(MF)を含むCD30陽性皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)患者(N=131人)に対してアドセトリス単剤療法、または治験責任医師が選択した標準治療薬(メトトレキサート、ベクサロテンなど)を1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として4ヶ月客観的奏効割合(ORR) 、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、完全寛解率、安全性などを検証した国際多施設共同の第III相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である4ヶ月客観的奏効割合(ORR) はアドセトリス群56.3%(95%信頼区間: 44.1-68.4%)に対して標準治療群12.5%(95%信頼区間: 4.4-20.6%)、アドセトリス群で統計的有意に4ヶ月客観的奏効割合(ORR)を改善することが証明された(p<0.0001)。

副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はアドセトリス群17.0ヶ月に対して標準治療群4.0ヶ月、アドセトリス群が病勢進行または死亡のリスク(PFS)を73%(ハザード比:0.27,95%信頼区間:0.17-0.43,p<.001)減少した。また、完全寛解率はアドセトリス群15.6%(95%信頼区間: 7.8-26.9%)に対して標準治療群1.6%(95%信頼区間: 0-8.4%)、アドセトリス群で有意に優れていた(p=0.0066)。

一方の安全性として、20%以上の患者で確認された最も一般的な有害事象は貧血、末梢神経障害、吐き気、下痢、疲労、そして好中球減少症であった。また、治療中止の原因となる最も一般的な有害事象は末梢神経障害であった。

以上の第III相ALCANZA試験の有効性、安全性の結果に加え、CD30陽性菌状息肉腫(MF)患者73人を対象にした2つの第II相臨床試験の結果に基づき米国食品医薬品局(FDA)より承認を受けた。

今回の承認を受けて、皮膚リンパ腫委員会(CLF)代表であるSusan Thornton氏は以下のように述べている。”皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)は治療選択肢が少なく、治癒を望めない血液のがんとして知られています。また、この疾患の症状は外見を損ないますので治療効果が高く、長期に渡って継続できる治療選択肢が必要でした。アドセトリスが皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の中でも最も一般的な2つの病型に対する新しい治療選択肢として米国食品医薬品局(FDA)より承認を受けたことを患者さん、医師と共有できることを楽しみにしております。”

また、シアトル・ジェネティクス社・社長兼最高経営責任者(CEO)・Clay Siegall氏は以下のように述べている。”ALCANZA試験によりアドセトリスが皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の標準治療薬であるメトトレキサート、ベクサロテンよりも持続奏効性、忍容性ともに優れた治療であることが証明されました。また、本試験以外の2つの臨床試験の結果を加え、アドセトリスは皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の中で最も一般的な2つの病型の治療薬として米国食品医薬品局(FDA)より承認を受けます。我々のゴールはアドセトリスをCD30陽性リンパ腫の標準治療薬として確立することで、本承認によりアドセトリスは4つの効果効能を取得しました。”

なお、アドセトリスが取得しているその他の適応は「再発性または難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫(HL)」、「自家造血幹細胞移植後の再発または進行リスクの高いCD30陽性ホジキンリンパ腫(HL)」「再発性または難治性の成人全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)」の3つである。


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