2017年10月15日から18日まで横浜で開催されていた国際肺癌学会(IASLC)第18回世界肺癌学会議(WCLC)にて、EGFR遺伝子変異陽性進行再発非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する汎HER阻害経口薬であるPoziotinibの有効性を証明した第II相試験(NCT03066206)の結果が、テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター・John Heymach氏より発表された。

本試験は、非小細胞肺がん(NSCLC)の中で約2%の患者が該当するEGFR-Exon20遺伝子変異陽性進行再発非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対してPoziotinib単剤療法を投与し、主要評価項目であるRECIST1.1に基いた客観的奏効率(ORR)などを検証したオープンラベルの第II相試験である。

本発表時点における本試験の患者登録数は27人、本試験は50人まで登録する予定である。今回の発表では試験に登録された11人における結果で、少なくとも30%以上の腫瘍縮小効果が73%(N=8人)の患者で確認された。また、腫瘍縮小率の範囲は30%から50%で、73%(N=8人)の患者で部分奏効(PR)が確認された。

一方の安全性としては、55%(N=6人)の患者が副作用のためにPoziotinibの減量が必要とされた。減量の原因となった副作用としては主に皮膚障害であるが、それ以外にも下痢、粘膜炎、爪囲炎などの副作用も減量する原因であった。

本試験の有効性、安全性の結果を受けてテキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター・John Heymach氏は以下のように述べている。”本試験の速報解析の結果は非常に期待できるものであり、我々の研究によりPoziotinibがEGFR-Exon20遺伝子変異に対して打ち勝てる可能性のある治療薬であることが示唆されました。”

Poziotinib以外の複数のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬が米国食品医薬品局(FDA)より承認されているが、現在のところEGFR-Exon20遺伝子変異に対して有効性を証明した薬剤は1剤もない。本試験の終了予定日は2021年3月、非小細胞肺がん(NSCLC)患者の内約2%の患者が有するEGFR-Exon20遺伝子変異に対するPoziotinib単剤療法の有効性が証明される日を期待して心待ちにしたい。


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