がん免疫療法のプログラム細胞死受容体1(PD-1)標的抗体ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)は、日本では2017年2月から根治切除不能の悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬として販売されている。切除不能、または転移性の悪性黒色腫患者に対するキイトルーダ単独療法の3年近い追跡期間で、細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA4)標的抗体のイピリムマブ(商品名ヤーボイ)と比べ死亡リスクが30%低下することが検証された。2017年6月2日から5日まで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表された最新の長期データである(Abstract9504)。

治療歴なし、また治療歴1回の悪性黒色腫対象の第3相無作為化非盲検試験KEYNOTE-006

Keynote-006試験(NCT01866319)は、治療歴なし、または治療歴1回の切除不能または転移性の悪性黒色腫患者をキイトルーダ10mg/kgの2週ごと静注群、3週ごと静注群、またはヤーボイ静注群に無作為に割り付け、キイトルーダ群は最長2年で治療完了とし、ヤーボイ群は3mg/kgを3週ごとに計4回静注した。主要評価項目は、全生存期間(OS)、および無増悪生存(PFS)期間であった。

無増悪生存率、奏効率はキイトルーダがヤーボイの2倍超

その結果、キイトルーダの両群を合わせた解析対象は556例、ヤーボイ群の解析対象は278例で、治療開始後33.9カ月時点での全生存率(キイトルーダ群50%、ヤーボイ群39%)に基づき、キイトルーダ群はヤーボイ群より死亡リスクが30%低下することが示された(ハザード比(HR)=0.70)。33.9カ月時点での無増悪生存(PFS)率(各31%、14%)に基づく増悪リスクは、キイトルーダ群の方が44%低下した(HR=0.56)。

奏効率はキイトルーダ群が42%で、完全奏効(CR)13%、部分奏効(PR)29%が得られた。ヤーボイ群の奏効率は16%で、CRが3%、PRが14%であった。奏効持続期間は中央値特定に至っておらず、奏効持続性にすぐれることが示唆された。

治療完了後も生存ベネフィットを維持、長期安全性も検証

さらに、キイトルーダ群の18.7%(104/556例)の患者は治験計画書のプロトコール通りの治療を終了し、94週以上の治療を完了した。この104例において、治療終了後9.7カ月(中央値)の追跡期間で無増悪状態を維持する患者の割合は91%と推定された。

長期追跡期間中の有害事象に特異なものはなく、既に報告されている安全性データと一致していた。キイトルーダ群で2%以上の患者に発現した免疫関連有害事象は、甲状腺機能低下症(11%)、甲状腺機能亢進症(5%)、大腸炎(3%)、皮膚障害(3%)、および肺臓炎(2%)であった。

Long-term outcomes in patients (pts) with ipilimumab (ipi)-naive advanced melanoma in the phase 3 KEYNOTE-006 study who completed pembrolizumab (pembro) treatment.(ASCO2017, Abstract No.9504)

記事:川又 総江


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