5月9日、アストラゼネカ株式会社は、5月1日に米国食品医薬品局 (FDA)がデュルバルマブ(米国商品名Imfinzi)に対し迅速承認したことを発表した。「プラチナ製剤を含む初回化学療法による治療中あるいは治療後に病勢進行が認められた、あるいはプラチナ製剤を含む術前、もしくは術後補助化学療法を受けてから12カ月以内に病勢進行が認められた局所進行あるいは転移尿路上皮がん(mUC)患者」を適応としている。
※尿路上皮がん:腎盂がん、尿管がん、膀胱がん、尿道がん

また、デュルバルマブは、現在実施中の第III相DANUBE試験において、単剤療法およびトレメリムマブとの併用療法双方において、尿路上皮がんの1次治療薬としての可能性が検討されているとのこと。

デュルバルマブの推奨用量は、病勢進行または受容できない毒性発現までの間、2週間毎に60分間にわたり体重1kgあたり10mgの静脈投与となる。

今回の迅速承認は第1/2相臨床試験(Study 1108、NCT01693562)のデータに基づいている。

本試験は、局所進行あるいは転移膀胱尿路上皮がん患者にデュルバルマブの安全性および有効性を評価している。治験に参加した患者は、術前、もしくは術後補助化学療法を受けてから12カ月以内に病勢が進行した患者さんを含む、プラチナ製剤を含む化学療法による治療中あるいは治療後に病勢が進行した患者だった。

結果、PD-L1発現状況にかかわらず、客観的奏効率(ORR)は全評価可能患者において17.0%、およびPD-L1高発現腫瘍を持つ患者においては26.3%だった。さらに、全評価可能症例の約14.3%が部分奏効を、約2.7%が完全奏効となった。術前補助化学療法もしくは術後補助化学療法のみを受けた患者のうち24%(9名)が奏効した。奏効までの期間の中央値は6週間であり、全奏効症例31名のうち14名(45%)では6カ月以上奏効が持続しており、5名(16%)では12カ月以上奏効が持続した。


アストラゼネカ株式会社プレスリリースより抜粋

※PD-L1高発現の定義は、腫瘍領域に1%超の腫瘍浸潤免疫細胞(IC)が存在する場合は腫瘍細胞(TC)またはICの細胞膜でのPD-L1発現割合が25%以上とし、腫瘍領域に1%未満のICしか存在しない場合にはTCの25%以上またはICの100%発現としている。

安全性に関して、重篤な有害事象が患者の46%において発現した。

最も発現頻度が高かった有害事象には急性腎損傷(4.9%)、尿路感染(4.4%)、筋骨格疼痛(4.4%)、肝損傷(3.3%)、全般的身体的健康悪化(3.3%)、敗血症、腹部疼痛、および発熱/腫瘍に伴う発熱(それぞれ2.7%)となった。デュルバルマブによる治療を受けた8名(4.4%)が心肺停止、全身状態の悪化、敗血症、腸閉塞、肺炎または免疫介在性の肝炎のグレード5の有害事象を発症している。さらに3名の患者さんにおいて、死亡時に感染症および病勢進行が見られました。患者の3.3%において有害事象によりデュルバルマブの投与が中止している。

記事:可知 健太


人気記事