抗悪性腫瘍剤「ムンデシン」 再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)治療薬として製造販売承認を取得 ―新規の作用機序、世界に先駆けて日本で承認―


  • [公開日]2017.04.04
  • [最終更新日]2019.03.15

3月30日、ムンディファーマ株式会社は、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を効能・効果としたプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)阻害剤「ムンデシン®カプセル100mg」(一般名:フォロデシン塩酸塩、以下、「ムンデシン®」)の国内における製造販売承認を取得した。ムンデシン®は、世界に先駆けて日本で初めて承認された薬剤である。

PTCLは成熟したT細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞を起源とし、リンパ系腫瘍細胞による多彩な臓器浸潤を特徴とする多様な疾患群*1である。日本では、年間発症例は約2000例*2と推計されており、中悪性度リンパ腫の10-15%を占める*1とされている。また、好発年齢は65歳以上の高齢者であり、高齢になるほど発症率が高くなる傾向*1にある。1990年初頭に数種類の抗がん剤を組み合わせたCHOP療法が中悪性度の非ホジキンリンパ腫の標準一次治療となって以来、PTCLに対する治療選択肢にはほとんど進歩がなかった*3。さらに、PTCLの二次治療以降の標準治療は確立しておらず*4、予後の悪い疾患であることが知られている。

今回承認されたムンデシン®は、世界で初めて有効性が確認された新規作用機序のPNP 阻害剤 *5である。 PNP を阻害することにより細胞内に2-デオキシグアノン三リン酸を蓄積させ、アポトーシスを誘導し、T細胞由来の腫瘍増殖を抑制すると考えられている。また、 効能・効果を再発又は難治性のPTCLとする治療薬では初めての経口剤であり、患者さんへの通院等負担が軽減され、自宅での治療が可能となることが期待されている。
(プレスリリースより抜粋)
※ムンディファーマ株式会社プレスリリースはコチラ

 

*1: 国立がん研究センター:末梢性T細胞リンパ腫.2015
http://ganjoho.jp/public/camcer/PTCL/index.html
*2: 国立がん研究 センター:がん統計予測.2016
http://ganjojo.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html,  、
日本血液学会:血液患者登録集計.2014

*3:磯部泰司 、塚田信弘、佐々木純:リンパ系腫瘍診療ハドブック.中外医学社、2015

*4:日本血液学会:造血 器腫瘍ガイドライン.金原出版、2013

*5:Bantia S.Et al.Int Immunopharmacol. 3:879-87.2003, Robak T.et al Malecules14:1183-226,2009

 

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