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ホジキンリンパ腫 一次化学療法失敗後のオプジーボ×アドセトリス併用療法で全奏効率90% ASH2016

[公開日] 2017.03.27[最終更新日] 2025.01.29

目次

標準化学療法の一次治療で進行、または再発した古典的ホジキンリンパ腫(HL)患者に対し、オプジーボ×アドセトリス併用療法の高い有用性が示唆されている。米国City of Hope National Medical CenterのAlex Herrera氏らが2016年12月の米国血液学会(ASH)で第1/2相単群非盲検試験(NCT02572167)の中間結果を発表し、完全奏効(CR)62%、部分奏効(PR)28%を合わせて全奏効率が90%に達したと報告された。 免疫チェックポイント阻害薬であるプログラム細胞死受容体1(PD-1)標的抗体ニボルマブ(商品名オプジーボ)と、細胞障害物質モノメチルアウリスタチン(MMAE)とCD30標的抗体を結合した抗体薬物複合体(ADC)であるブレンツキシマブ ベドチン(商品名アドセトリス)の組合せは、化学療法を使わない二次治療として有効性、安全性ともに実用可能性があるとして、現在、第2相試験への患者登録が行われている。

試験概要 ~古典的ホジキンリンパ腫対象 アドセトリスとオプジーボ併用第1相臨床試験~

第1相試験では42人が登録され、そのうち88%の患者は前治療にABVD療法(アドリアマイシンまたはドキソルビシン[商品名アドリアシン]×ブレオマイシン[商品名ブレオ]×ビンブラスチン[商品名エクザール]×ダカルバジン[商品名ダカルバジン])を受けた後に進行、または再発していた。オプジーボ×アドセトリスの併用療法は、1サイクル21日間として最長4サイクルを反復した。初回サイクルは1日目にアドセトリス1.8mg/kg、8日目にオプジーボ3mg/kgを静注し、2サイクルから4サイクル目までは両剤ともに同用量を1日目に投与した。 2016年9月15日のデータカットオフ時点で、42人すべてが少なくとも1回の投与を受け、12人が治療継続中、28人が4サイクル完了、2人は有害事象以外の理由で中止していた。オプジーボ、アドセトリスともに投与回数の中央値は4回で、いずれの薬剤も減量を必要とした患者はなかった。オプジーボの投与を遅らせた患者は4人、アドセトリスでは3人で、理由は蕁麻疹、悪寒、低酸素症、血栓症、およびリパーゼ上昇であった。オプジーボの投与を中断した患者は3人、アドセトリスでは11人で、理由は静注関連反応(IRR)であった。IRRはいずれも支持療法による対処で投与再開が可能になり、以降完了した。

高い安全性が治療継続を可能にする

Herrera氏は、2016年12月8日のOncLiveにて安全性の高さを強調している。すなわち、有害事象を理由とする減量、または投与中止はなく、免疫関連有害事象の発現率も低かった。 静注関連反応(IRR)はグレード1、またはグレード2が38%の患者に発現し、グレード3はほとんど認められなかった。低用量のコルチコステロイドと抗ヒスタミン薬を用いた前処置によるIRR予防を開始したことにより、IRRの発現率や重症度が低下したわけではないが、IRRを理由とする投与中止例は認められなかった。主なIRRは疲労(37%)、悪心(26%)、そう痒(17%)、および発疹(22%)であった。 免疫関連有害事象は、グレード3はトランスアミナーゼ上昇(1人)のみで、その他はグレード1、またはグレード2の甲状腺機能低下、トランスアミナーゼ上昇、下痢、発疹、およびIRRなどで、免疫関連の間質性肺炎、または大腸炎は報告されていない。 バイオマーカーの予備的データも報告された。初回サイクルの8日目において、アドセトリスの投与によりCD4陽性制御性T細胞(Treg)の割合が低下したことが示された。ニボルマブとアドセトリスの併用投与により、作用の拮抗を示すバイオマーカーの変化は認められなかった。今後は、組織生検標本、ならびに免疫アッセイを用いたバイオマーカーの解析を行う計画だという。

オプジーボは古典的ホジキンリンパ腫に適応拡大

2016年12月、オプジーボは再発、または難治性のホジキンリンパ腫の適応拡大が国内承認された。国内の年間患者数は約2000人と推定されている。 従来は、ABVD療法の初回治療に反応しない、治療後に進行、もしくは再発した場合の治療法はABVD療法以外の救援化学療法で、効果が認められた65歳未満の患者はその後、自家造血幹細胞移植術を受けることが可能とされていた。2014年4月にはアドセトリスが日本で発売され、進行・再発患者の治療成績が向上した。それに加え、オプジーボも使用可能となり、治療の選択肢が広がった。 記事:川又 総江
ニュース 悪性リンパ腫 オプジーボニボルマブ

医療ライター 川又 総江

国内製薬企業研究所研究員、大学医学部研究室助手を経てフリーのメディカルライターに転身。医薬・バイオ関連出版社等の文献翻訳、医療記事作成を執筆すること20年。

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