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再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫 免疫調節薬レブラミド 適応追加

[公開日] 2017.03.03[最終更新日] 2017.03.03

3月2日、セルジーン株式会社は、免疫調節薬レナリドミド(商品名レブラミド)について「再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫」に対する効能・ 効果及び用法用量に関して、承認事項一部変更承認を取得したと発表した。本剤は厚生労働省より再発又は難治性の成人 T 細胞白血病リンパ腫に対して希少疾病用医薬品に指定されている。 成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL) は、白血球の中のT細胞にヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)が感染し、がん化することで発症する悪性リンパ腫の一つ。日本でのATLLの患者数は2000 人程度と推計されていおり、九州・沖縄地域で多い血液がんとなる。悪性リンパ腫の中でも治療が難しい疾患のひとつであり、多剤併用化学療法や同種造血幹細胞移植が行われるが、多くの場合再発又は病勢進行することとなる。再発又は病勢進行したATLLに対する有効な治療法は十分ではなく新しい治療選択肢の登場が待ち望まれていた。 レブラミドは、免疫調節薬(IMiDs)となる。サイトカイン産生調節作用、造血器腫瘍細胞に対する増殖抑制作用、血管新生阻害作用等の薬理作用を持つと考えられている。一方、サリドマイドの誘導体となり、催奇形性を有する可能性があることから、胎児への曝露を避けるため、適正管理基準に基づいて使用することを徹底する必要がある。日本では、「多発性骨髄腫」と「5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群」の適応を取得している。 今回の承認は、再発又は再燃のATLL患者さんを対象とした国内第1相臨床試験(CC-5013-ATLL-001試験)、国内第2相臨床試験(CC-5013-ATLL-002試験)の結果に基づくものである。再発又は再燃のATL患者さん26名を対象として実施したCC-5013-ATLL-002試験において、主要評価項目である全奏効率(部分奏効以上)は、42.3%であった。主な副作用は、好中球減少症、血小板減少症、リンパ球減少症、貧血、白血球減少症、発疹、C-反応性蛋白増加、低アルブミン血症であった。 日本は、成人T細胞性白血病リンパ腫が欧米に比べ罹患数が多い。レブラミドの成人T細胞白血病リンパ腫の適応承認は世界でも日本が初となる。 記事:可知 健太
ニュース 悪性リンパ腫 レブラミド(レナリドミド)

3Hメディソリューション株式会社 執行役員 可知 健太

オンコロジー領域の臨床開発に携わった後、2015年にがん情報サイト「オンコロ」を立ち上げ、2018年に希少疾患情報サイト「レアズ」を立ち上げる。一方で、治験のプロジェクトマネジメント業務、臨床試験支援システム、医療機器プログラム開発、リアルワールドデータネットワーク網の構築等のコンサルテーションに従事。理学修士。

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