図3
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肝細胞がん(HCC)患者に対する免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(商品名オプジーボ)の第1/2相試験(CheckMate040、NCT01658878)で、オプジーボ単剤治療の奏効率は、ソラフェニブ(商品名ネクサバール)の治療歴がある患者集団で18.1%、ネクサバールの治療歴がない患者集団では21.7%であることが報告された。スペインNavarra大学のIgnacio Melero氏らが、2017年1月の米国臨床腫瘍学会消化器癌シンポジウム(ASCO-GI)で発表した。2017年2月1日のOncLiveの記事を紹介する。

CheckMate040は米国、欧州、日本などで実施されている非盲検試験で、慢性ウイルス性肝炎(C型肝炎ウイルス[HCV]、B型肝炎ウイルス[HBV])の有無、あるいはネクサバール治療歴の有無を問わず、肝細胞がん(HCC)患者を登録した。オプジーボ単剤治療の増量パートでは48人に0.1mg/kgから10mg/kgが投与され、拡大パートでは214人に第2相推奨用量とされた3mg/kgが投与された。計262人の年齢中央値は63歳、男性患者が79%を占め、約70%の患者は肝外転移があった。69%の患者はネクサバールの治療歴があった。

ネクサバール既治療集団におけるオプジーボの有効性
第三者判定の奏効率は、増量パートでは21.6%(8/37人)、拡大パートでは18.6%(27/145人)で、奏効到達期間中央値はそれぞれ1.9カ月、2.7カ月、奏効持続期間中央値は増量パートが17.1カ月で、拡大パートは特定に至っていない。

ネクサバール既治療集団の計182人を対象とした試験者判定の抗腫瘍反応は、完全奏効(CR)が増量パート37人中3人、拡大パート145人中3人、部分奏効(PR)はそれぞれ3人、24人、病勢安定(SD)がそれぞれ16人、66人であった。

増量パートの約2/3の患者は治療後6カ月、および9カ月の時点で生存し、12カ月後の全生存率は58%、18カ月後の全生存率は46%であった。拡大パートでは、6カ月後の全生存率が82%、9カ月後の全生存率は71%で、12カ月後、および18カ月後の全生存率特定には至っていない。

ネクサバール未治療集団におけるオプジーボの有効性
拡大パートでオプジーボ推奨用量(3mg/kg)の治療を受けたネクサバール治療歴のない患者集団(69人)では、奏効率が21.7%(すべて部分奏効[PR])で、さらに43.5%の患者に病勢安定(SD)が認められた。6カ月後の全生存率は87%、9カ月後の全生存率は77%であった。

有害事象~肝細胞がんにおいても毒性管理可能~
肝細胞がん(HCC)患者におけるニボルマブの毒性は管理可能で、他のがん種の場合と同様であった。増量パートでグレード3、またはグレード4の治療関連有害事象は認められていない。主な有害事象(発現率10%以上)は発疹(23%)、そう痒(19%)、下痢(10%)、および食欲減退(10%)であった。治療関連の主な臨床検査値異常(発現率10%以上)は、AST上昇(21%)、リパーゼ上昇(21%)、アミラーゼ上昇(19%)、およびALT上昇(15%)であった。

ネクサバール以外のHCC治療選択肢となるか
Melero氏は本試験の解析結果について、「現在、肝細胞がん(HCC)の治療は、チロシンキナーゼ阻害薬のネクサバールを超える治療選択肢がないため、メディカルニーズが高い状況が続いている。オプジーボは単剤で迅速、かつ安定した抗腫瘍効果をもたらし、その効果はC型肝炎、またはB型肝炎の合併の有無とは関係なく、PD-L1発現レベルとの関連性もなかった。さらに、患者自己評価の生活の質(QOL)調査結果も、治療開始後25週まで安定している」とコメントした。そして、治療歴のない進行HCC患者を対象とするオプジーボの第3相試験を開始したことを明らかにした。

Nivolumab dose escalation and expansion in patients with advanced hepatocellular carcinoma (HCC): The CheckMate 040 study.(ASCO-GI2017;Abstract Number: 226)

PD-1 Inhibitor Active in Advanced Liver Cancer(Published Online: Wednesday, Feb 01, 2017)

記事:川又 総江 & 可知 健太

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