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肝細胞がん マルチキナーゼ阻害薬レンビマ 初回治療においてネクサバールと非劣性を実証
[公開日] 2017.01.31[最終更新日] 2017.01.31
エーザイ株式会社は、マルチチロシンキナーゼ阻害薬であるレンバチニブ(レンビマ)について、全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞がんにおけるソラフェニブを対照とした臨床第3相試験(304試験)において、主要評価項目であるソラフェニブ(ネクサバール)との非劣性を確認したとの発表した。
レンビマは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)であるVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のFGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4に加え、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のPDGFRα、KIT、RETなどの腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対するマルチチロシンキナーゼ阻害剤である。現在、日本において、「根治切除不能な甲状腺癌」の適応で承認を取得している。
304試験は、全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞がん患者様を対象に、レンビマについて、標準治療薬であるネクサバールとの有効性および安全性を比較する多施設共同、非盲検、無作為化グローバル臨床第3相試験となる。954人の患者様が各投与群に1:1の割合で無作為に割り付けられ、レンビマ投与群(478人)では、体重によって1日1回12mgまたは8mgが投与され、ネクサバール投与群(476人)では1回400mgを1日2回投与さた。投与は病勢進行あるいは忍容できない有害事象の発現まで継続された。
この試験は、主要評価項目を全生存期間(Overall Survival:OS)とし、非劣性の検証を目的に実施した。また、副次評価項目として、無増悪生存期間(PFS)、無増悪期間(TTP)、奏効率(ORR)などを評価した。
本試験の結果、レンビマ群は、ネクサバール群と比較して、全生存期間における非劣性が統計学的に証明され、PFS、TTP、ORRにおいて、統計学的に有意かつ臨床的意義のある改善を示した。本試験のレンバチニブ投与群で確認された有害事象は、高血圧、下痢、食欲減退、体重減少、疲労等であり、これまでにレンビマで認められた安全性プロファイルと同様だった。なお、その他の副次評価項目(QOL、血漿中薬物動態)や安全性の解析は継続中であるとのこと。
エーザイ社は、本試験結果に基づき、日本、米国、欧州、中国を含むアジアの各当局と申請に向けた協議を行う予定とのこと。また、本試験結果の詳細について、今後の学会等で発表する予定とのこと。
記事:可知 健太
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