ラムシルマブ(サイラムザ)は血管新生阻害薬で、血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR-2)に作用する。胃がん、結腸直腸がんの適応を有し、非小細胞肺がんについては2016年6月に適応を取得している。

今回、サイラムザがドセタキセル(タキソテール)との併用でプラチナ製剤化学療法にも関わらす増悪した日本人の非小細胞肺がん患者の生存期間を延長した第II相無作為プラセボ対照二重盲検比較試験(JVCG試験)の結果が発表された。

対象は本邦28施設で登録された非小細胞肺がんで、プラチナ製剤化学療法にも関わらず増悪した患者。これらの患者がサイラムザ10㎎/㎏・タキソテール60㎎/m2併用21日サイクル群(以下サイラムザ群)とプラセボ・タキソテール60㎎/m2 21日サイクル群(以下プラセボ群)に割り付けられた。主要評価項目は病態進行までの期間である無増悪生存期間(以下PFS)、副次的評価項目は全生存期間(以下OS)、奏効率(Response Rate)、安全性である。

登録患者160名中、両治療群に割り付けられた患者は157名。主要評価項目であるPFS中央値はサイラムザ群5.22ヶ月、プラセボ群4.21ヶ月(Hazard Ratio=0.86、95%CI:0.59~1.16)であった。副次的評価項目のOS中央値はサイラムザ群15.15ヶ月、プラセボ群14.65ヶ月、Hazard Ratioは0.86(95%CI:0.56~1.32)。奏効率はサイラムザ群28.9%、プラセボ群18.5%。病勢制御率(Disease Control Rate)はサイラムザ群78.9%、プラセボ群で70.4%であった。統計学的有意は示されないものの、これらはいずれもサイラムザ群で優れており、同じレジメンの比較でラサイラムザ群がOS、PFS共に有意に延長した既報のREVEL試験の結果を反映するものであった。有害事象の頻度および重症度は同程度であったが、発熱性好中球減少症はサイラムザ群34.2%、プラセボ群19.8%とサイラムザ群で多く認められている。

なお、日本肺癌学会は、8月に改訂された肺癌診療ガイドライン「Ⅳ期非小細胞肺癌の2次治療以降2015年版version1.1」にて、2次治療以降の非小細胞肺がん(PS0-1)にてグレードB(科学的根拠があり,行うよう勧められる)とされている。

A randomized, double-blind, phase II study of ramucirumab plus docetaxel vs placebo plus docetaxel in Japanese patients with stage IV non-small cell lung cancer after disease progression on platinum-based therapy(Yoh K, et al. Lung Cancer. 2016; 99: 186-193.)

加藤 テイジ


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