8月26日、ノバルティス ファーマ株式会社は、mTOR阻害剤エベロリムス(アフィニトール®)について、神経内分泌腫瘍(NET)に対する効能追加の承認を取得したと発表した。

アフィニトールは、抗悪性腫瘍剤として承認された経口のmTOR阻害剤で、がんの増殖、成長及び血管新生の調節因子であるmTORタンパクを選択的に阻害することにより、腫瘍細胞の増殖抑制と血管新生阻害という2つのメカニズムで抗腫瘍効果を発揮するとされている。2011年12月に「アフィニトール」の効能又は効果として膵NETが承認されていたが、今回、膵NETのみならず、消化管又は肺原発のNETにも「アフィニトール」が使用できるようになった。

神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumors: NET)は、身体機能を調節するさまざまなホルモンを生成・分泌する細胞から生じる希少がんで、特に消化管、肺、膵臓に多く発生する。一方、NETは、ホルモン産生症状を有する機能性とホルモン産生症状のない非機能性に大別される。

機能性NETはホルモンなどの物質の過剰分泌によって症状を生じる一方、非機能性NETでは腫瘍の増殖による症状がみられ、多くのNET患者さんが既に進行している状態、つまり、がんが転移して治療が困難となった状態で診断される。国内のNET患者数は約15,000~17,000人と推定され、5.25人/10万人の割合で発症し、近年、増加傾向にある。

消化管又は肺原発NETにて、アフィニトールは進行リスク52%低下

今回の承認は、消化管又は肺原発のNET患者さんを対象とした第3相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)の結果に基づいている。

RADIANT-4試験では、「アフィニトール」が「プラセボ群」に対し、消化管又は肺原発の高分化型の進行性非機能性NET患者さんの進行リスクを52%低下させた(HR 0.48、p<0.00001))。さらに「アフィニトール」は、無増悪生存期間(PFS)の中央値を7.1カ月延長した(PFSの中央値は、「アフィニトール」群で11.0カ月、プラセボ群で3.9カ月)。

上記試験における主な副作用は、口内炎(62.9%)、下痢(31.2%)、疲労(30.7%)、感染症(29.2%)、発疹(27.2%)、末梢性浮腫(25.7%)、悪心(17.3%)、無力症(16.3%)、貧血(16.3%)、食欲減退(15.8%)、味覚異常(14.9%)、肺臓炎(13.4%)、咳嗽(12.9%)、そう痒症(12.9%)、発熱(10.9%)高血糖(10.4%)、呼吸困難(10.4%)等。

◆アフィニトールとは

2010年1月に根治切除不能または転移性の腎細胞がん、2011年12月に膵神経内分泌腫瘍、2012年11月に結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫および結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫、2014年3月に手術不能または再発乳がんを効能または効果として承認を取得している。現在、結節性硬化症に伴うてんかんを対象とした第3相の国際共同治験が実施中。

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可知 健太


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