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LC-SCRUM-Japan活用 RET融合遺伝子陽性非小細胞肺がんにカプレルサが高い抗腫瘍効果を示唆ASCO2016

[公開日] 2016.06.22[最終更新日] 2016.06.22

目次

6月3日から7日までシカゴで開催された第52回米国臨床腫瘍学会のAnnual Meeting(年次総会)にて、「LC-SCRUM-Japanを活用したLURET試験にて、RET融合遺伝子陽性非小細胞肺がんに対してカプレルサの高い抗腫瘍効果が示唆されたこと」が、国立病院機構九州がんセンター統括診療部呼吸器腫瘍科の瀬戸貴司氏によって発表された。

最大奏効率74% 大規模診断ネットワークLC-SCRUM-Japanによる初の成果の1つ

バンデタニブ(カプレルサ)は、RET、上皮増殖因子受容体(EGFR)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)などを阻害する経口のマルチチロシンキナーゼ阻害薬で、日本においては、2015年9月28日に根治切除不能な甲状腺髄様がんで、1日1回300mgを経口投与する承認を得ている。 RET融合遺伝子は、2012年に非小細胞肺がんの新たながん遺伝子として同定され、非小細胞肺がん全体の1-2%で認められており、複数の症例報告から、RET融合遺伝子陽性非小細胞肺がん患者における腫瘍縮小効果が発表されている。 今回、RET融合遺伝子を有する進行非小細胞肺がん患者に対し、RETチロシンキナーゼ活性を阻害するカプレルサ錠は高い抗腫瘍効果を示すことが、日本の医師主導フェーズ2試験(LURET)から明らかになった。 LURET試験における「RET融合遺伝子陽性の患者のスクリーニング」は、大規模診断ネットワークLC-SCRUM-Japanによって行われている。 LC-SCRUM-Japanは、希少変異肺がんの患者をより早く発見、診断し、治療を実施するために構築された全国規模の遺伝子診断ネットワークで、196施設が参加している。 2013年2月から2015年3月までに、LC-SCRUM-Japanにより、EGFR遺伝子変異陰性の進行非小細胞肺癌患者1536人の診断が行われ、このうちRET融合遺伝子陽性の患者は34人(2%)となり、LURET試験には19人が登録された。 19人の年齢中央値は59歳(範囲:41-80)、女性が14人(74%)、全例が腺癌で、13人(68%)が非喫煙者だった。12人(63%)は前治療歴があり2レジメン以上(範囲:1-12)の化学療法を受けていた。

有効性に関する結果

主要解析に適格とされた17人では、一部腫瘍が縮小する部分奏効が9人で得られ、奏効率は53%(31-74)となった。 (事前に設定した期待できる奏効率は60%、最大に得られた奏効率が74%であったことから、同試験の主要評価項目は達成された) 一方、腫瘍消失、腫瘍一部縮小、腫瘍安定を含めた病勢コントロール率は88%だった。 RET融合遺伝子別の解析、「CCDC6というタンパク質とRETが融合を起こしたタイプの奏効率は83%、病勢コントロール率は100%、無増悪生存期間中央値は8.3カ月」、「KIF5Bというタンパク質とRETが融合を起こしたタイプの奏効率20%、病勢コントロール率は90%、無病悪生存期間中央値は2.9カ月」、「評価できない融合遺伝子タイプでは奏効率67%、病勢コントロール率67%、無病悪生存期間中央値4.7カ月」だった。 このことより、CCDC6-RET融合遺伝子タイプにおいて、カプレルサに対するより高い感受性が示された。 全対象の19人では、奏効率は47%、病勢コントロール率は90%、無病悪生存期間中央値は4.7カ月、1年時の全生存率は47%となった。奏効期間は5.6カ月だった。2016年5月の時点で、奏効が得られた2人は1年以上生存している。

安全性に関する結果

グレード3以上の有害事象は患者の84%に発現した。最も多く観察されたグレード3/4の毒性は、高血圧(58%)、発疹(16%)、下痢(11%)、QTc延長(11%)だった。1人にグレード4のQTc延長を認めたが、グレード5の事象は発生しなかった。有害事象により試験治療を中止したのは4人(21%)だった。 ※QT延長とは 心電図でQ波と呼ばれる波からT波と呼ばれる波の終わりまでの時間が長い場合に呼ばれるもの。 QT延長が認められることは、心筋細胞の電気的な回復が延長することによる状態のことを指し、症状としては、動悸、失神、心室細動による突然死につながる可能性があるとされている。

まとめ

試験の結果RET融合遺伝子陽性非小細胞肺がんにバンデタニブ(カプレルサ)が高い抗腫瘍効果が認められ、特にCCDC6-RET融合遺伝子に対するより高い効果があることが示唆された。 記事:前原 克章
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