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非小細胞肺がん 免疫チェックポイント阻害剤ペムブロリズマブ(キイトルーダ) 初回治療として生存期間を延長

[公開日] 2016.06.17[最終更新日] 2016.06.17

目次

非小細胞肺がんの初回治療として、ペムブロリズマブ(キイトルーダ)が生存期間を延長

6月16日、米メルク社は、進行非小細胞肺がんの初回治療に対する免疫チェックポイント阻害剤PD-1抗体ペムブロリズマブ(キイトルーダ)の臨床試験(Keynote-024試験)結果を公表した。 Keynote-024試験は、腫瘍細胞上のPD-L1タンパク量が多い(tumor proportion score 50%以上)の進行非小細胞肺がん305名を対象に「ペムブロリズマブ単剤(200mgを3週毎)」または「標準療法であるプラチナ製剤を使用した治療(シスプラチン+ペメトレキセド、カルボプラチン+パクリタキセルなど)」を使用した際の有効性および安全性を比較試験である。この試験には日本も参加している。 無増悪生存期間(PFS;病態が進行するまでの期間)および全生存期間を評価項目としているが(Primary endpointはPFS)、両者とも比較した抗がん剤療法よりも有意であることがわかった。この結果を受けて、早期に有効性が立証されたため患者利益を考慮し、有効性の観点から中止したとのこと。安全性については、現時点でわかっている安全性プロファイルと異なるものはなかったとのこと。 加えて、標準療法群に割り付けられた患者は、標準療法が使用できなくなった後にペムブロリズマブを使用することが許可されており、それでもなお生存期間が延長していることにも着目したい。 米メルク社のプレスリリースはコチラ(英語)

米国臨床腫瘍学会(ASCO2016)にて、ペムブロリズマブと化学療法との併用療法結果を発表。奏効率は48%から71%

6月3日から6月7日に開催されて米国腫瘍学会年次総会(ASCO 2016)では、EGFR 陰性および ALK 陰性の進行非小細胞肺がん患者対象とした「ペムブロリズマブ+3つの化学療法レジメンのうちの1つ*」による治療を受けた74 名の患者の第1/2相試験(Keynote-21試験)の結果を発表されている。 *治療群 コホートA(組織型問わず):カルボプラチン+パクリタキセル 4コース後、ペムブロリズマブ維持療法 コホートB(扁平上皮がん以外の組織型):カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ 4コース後、ペムブロリズマブ維持療法 コホートC(扁平上皮がん以外の組織型):カルボプラチン+ペメトレキセド 4コース後、ペムブロリズマブ維持療法 結果は以下のとおりであり、いずれも期待できるデータが得られたとのこと。 図1 ペムブロリズマブと化学療法と併用した場合の安全性プロファイルは、これまでの結果と一致していたとのこと。 グレード3~5 の有害事象がコホートA で 56%、コホートB で 71%、コホート C で 67%に認められている。 また、コホートBは副作用発現率が一番高く、最も多く見られたグレード 3~4 の有害事象は、薬剤過敏症(8%)、発熱性好中球減少症(8%)、好中球減少症(8%)、白血球数低下(8%)、肺炎(8%)、肺血栓塞栓症(8%)であった。全コホートにおいて治療関連の死亡例はなかったとのこと。 米メルク社(MSD社)によると、治療歴のない非小細胞肺がん患者に対する2つの第3相試験を開始したとのこと。 KEYNOTE-189 試験:NSCLC 患者に対する KEYTRUDA ®とプラチナ製剤/ペメトレキセドによる化学療法レジメンを評価 Study of Platinum+Pemetrexed Chemotherapy With or Without Pembrolizumab (MK-3475) in Participants With First Line Metastatic Non-squamous Non-small Cell Lung Cancer (MK-3475-189/KEYNOTE-189) KEYNOTE-407 試験:扁平上皮 NSCLC 患者に対する KEYTRUDA ®とカルボプラチンおよびパクリタキセルまたは nab-パクリタキセルの併用を評価 A Study of Carboplatin-Paclitaxel/Nab-Paclitaxel Chemotherapy With or Without Pembrolizumab (MK-3475) in Adults With First Line Metastatic Squamous Non-small Cell Lung Cancer (MK-3475-407/KEYNOTE-407) MSD社のプレスリリースはコチラ

米国ではPD-L1高発現非小細胞肺がんの効能・効果で承認済み。日本では早ければ年内承認か?

ペムブロリズマブは、オプジーボと同じくPD-1抗体であり、PD-L1への親和性がオプジーボの5倍といわれている。(必ずしも親和性が高ければいいというものではない) 米国では、オプジーボに先立ち承認されており(といっても一週間であり、PD-L1高発現患者に限定)、日本では、本年2月29日に「切除不能な進行または再発の非小細胞肺がん」を効能・効果として承認申請しており、早ければ年内承認が期待される。 記事:可知 健太 ワード:キートルーダ キイトルーダ
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