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閉経後ホルモン受容体陽性HER2陰性乳がん レトロゾールとパルボシクリブの併用療法の有効性を示唆 ASCO2016

[公開日] 2016.06.13[最終更新日] 2016.06.13

目次

6月3日から7日までシカゴで開催された第52回米国臨床腫瘍学会のAnnual Meeting(年次総会)にて、閉経後のER陽性HER2陰性進行乳がん患者に対する初回治療として、CDK4/6(サイクリン依存性キナーゼ4/6)阻害薬パルボシクリブ(イブランス)とレトロゾール(フェマーラ錠)の併用療法は、プラセボとレトロゾールの投与と比較して有意に無増悪生存期間(PFS)を延長し、安全性も許容可能であることが、第3相臨床試験であるPALOMA-2試験にて明らかになった。本結果は、米David Geffen School of MedicineのRichard S. Finn氏が発表した。

背景

先立って臨床試験結果が報告されている非盲検、フェーズ2のPALOMA-1試験では、閉経後のホルモン受容体陽性HER2陰性進行乳がん患者のファーストライン治療として、パルボシクリブとレトロゾールの併用療法はレトロゾール単剤と比べて無病悪生存期間を有意に改善し、安全性も受容可能な範囲であることが示された。この結果により、米食品医薬品局(FDA)によるパルボシクリブの承認につながっている。 また、PALOMA-3試験では、内分泌療法後に増悪したホルモン受容体陽HER2陰性乳がん患者の2次治療として、パルボシクリブとフルベストラント(フェソロデックス注射)の併用療法はフルベストラント単剤と比べてPFSを有意に改善し、安全性はPALOMA-1試験の知見とほぼ一致していた。この結果に基づき、FDAはパルボシクリブとフルベストラントの併用療法を承認した。

試験概要

・今回主な結果が発表されたPALOMA-2試験は、PALOMA-1試験の結果を再度検証するために計画、実施された二重盲検のランダム化比較試験。 ・主要評価項目は臨床試験担当医の評価による無病悪生存期間、副次的評価項目は、奏効率、全生存期間(OS)、安全性などであった。 ・対象は、閉経後のホルモン受容体陽性HER2陰性進行乳がんで、全身療法の治療歴がない患者。治療は28日を1サイクルとし、パルボシクリブ 125mg/日(3週間投与、1週間休薬)とレトロゾール(2.5mg/日)を経口投与する群と、プラセボとレトロゾールを投与する群に、患者を2対1で割り付けた。投与は病勢進行、患者の試験同意の撤回、死亡のいずれかまで継続することとされた。

試験結果

主要評価項目である無病悪生存期間の中央値

・パルボシクリブ+レトロゾール群24.8カ月、プラセボ+レトロゾール群14.5カ月 →42%病勢進行リスクを抑制。パルボシクリブ+レトロゾール群で10.3カ月延長した。統計学的にも証明。(p<0.000001)。

さらに、盲検化した独立中央審査による評価の無病悪生存期間中央値

・パルボシクリブ群30.5カ月、、プラセボ+レトロゾール群19.3カ月、 →病勢進行を35%リスクを抑制

奏効率

・パルボシクリブ+レトロゾール群42%、プラセボ+レトロゾール群35%。(p=0.031) ・測定可能病変(腫瘍の状態の測定が可能)を有する患者では、パルボシクリブ+レトロゾール群55%とプラセボ+レトロゾール群44.4%だった(p=0.0132) ・臨床的有効率(完全奏効+部分奏効+安定状態) パルボシクリブ+レトロゾール群85%、プラセボ+レトロゾール群70%(p<0.0001) うち、測定可能病変を有する患者ではそれぞれ84%と71%(p=0.0003)

全生存期間(OS)

これらの結果はPALOMA-1試験の結果と一致するものだった。PALOMA-2試験の全生存期間のデータはで、最終データ解析が生物統計学的に算出できず、まだ行われていない。

安全性(副作用):多く観察されたもの

パルボシクリブ+レトロゾール群の全グレードの有害事象 ・好中球減少80% ・倦怠感37% ・吐き気35% ・関節痛33%

プラセボ+レトロゾール群の全グレード有害事象

・好中球減少6% ・倦怠感が28% ・吐き気26% ・関節痛34% ・脱毛16% パルボシクリブ+レトロゾール群では、グレード3または4の好中球減少が66%、白血球減少が25%に発現したが、発熱性好中球減少の頻度は1.6%と低かった。 重篤な有害事象はパルボシクリブ+レトロゾール群19.6%、プラセボ+レトロゾール群12.8%に発現した。 有害事象による治療中止はパルボシクリブ+レトロゾール群9.7%、プラセボ+レトロゾール群5.9%、有害事象による死亡はそれぞれ2.3%と1.8%だった。

まとめ

Finn氏は「今回のデータはPALOMA-1試験の結果を再確認することができ、ホルモン受容体陽性乳がん患者において、無病悪生存期間中央値がファーストライン治療で最も延長したことが示されている」と述べた。 なお、日本では申請にも至っておらず、早期申請が求められる。 PALOMA-2: Primary results from a phase III trial of palbociclib (P) with letrozole (L) compared with letrozole alone in postmenopausal women with ER+/HER2– advanced breast cancer (ABC).(ASCO2016 Abstract No706)

サイクリン依存性キナーゼ4/6阻害剤について

図18 記事:前原 克章
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