難治性又は再発の慢性白血病 ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬イブルチニブ(イムブルビカ) 承認取得


  • [公開日]2016.04.01
  • [最終更新日]2017.06.30

3月28日、ヤンセンファーマ株式会社は、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤イブルチニブ(イムブルビカ®)について、「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を適応として製造販売承認を取得したと発表しました。

イムブルビカは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤という新しいタイプの薬剤となります。ブルトン型チロシンキナーゼは、B細胞の成熟と生存を制御する細胞内シグナル伝達に関与する重要なタンパク質で、イムブルビカはブルトン型チロシンキナーゼを標的にすることで腫瘍細胞の生存シグナルを阻害し、増殖を抑制します。

【慢性リンパ性白血病(CLL) / 小リンパ球性リンパ腫(SLL)】
慢性リンパ性白血病および小リンパ球性リンパ腫は、日本では稀少疾患となり、治癒が難しい血液がんです。

慢性リンパ性白血病および小リンパ球性リンパ腫は、白血球のうち「Bリンパ球」が がん化したもので、多くは緩徐に進行します。女性よりも男性に多くみられ、その診断時年齢は67~72歳です。国内の総患者数は約2,000人となり、白血病全体の1~2%です。欧米では、白血病全体の20~30%を占める比較的頻度の高い白血病です。

慢性リンパ性白血病および小リンパ球性リンパ腫は、同一疾患と定義されており、Bリンパ球が腫瘤を作らずに増殖しリンパ性白血病の病態をとるものを慢性リンパ性白血病、末梢血や骨髄への浸潤がなくリンパ節腫大を認めるものは小リンパ球性リンパ腫とされます。

図3

ヤンセンファーマのプレスリリースはコチラ

記事:可知 健太

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