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■この記事のポイント
・2015年6月に販売を開始したラムシルマブ(サイラムザ)について日本胃癌学会ガイドライン委員会がコメント ・進行胃がん二次療法として、タキソールとサイラムザの併用療法が第1選択療法となる ・サイラムザの上乗せにより起こりうるであろう副作用に注意しながら使用すべきである10月初旬に、日本胃癌学会は「進行胃がん治療におけるラムシルマブ(サイラムザ)に関する日本胃癌学会ガイドライン委員会のコメント」を発表しました。 切除不能進行・再発胃がん(以下進行胃がん)のニ次療法として、「パクリタキセル(タキソール)単剤とラムシルマブ」を比較する第3相臨床試験(REGARD試験)および「パクリタキセル(タキソール)にラムシルマブの上乗せ」を検討する第3相臨床試験(RAINBOW試験)の結果をもとに進行胃がんの診療ガイドラインについて検討したものとなります。 今までの進行胃がんの二次療法については、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル(タキソテール)、イリノテカン(カンプトまたはトポテシン)の単剤療法が標準治療として位置づけられていましたが、上記の結果を受けて、「パクリタキセル+ラムシルマブ併用療法」または「ラムシルマブ単剤療法」が加わりました。 「パクリタキセル+ラムシルマブ併用療法」については、RAINBOW試験において「パクリタキセル単剤療法」よりも統計学的に生存期間の延長が認められたこと、本試験に参加した140人の日本人においても全体的に良好な結果を得られたことから、推奨度1となりました。これに伴い、今まで推奨度1であった「パクリタキセル単独療法、ドセタキセル単独療法、イリノテカン単独療法」が推奨度2となっています。 ただし、パクリタキセル+ラムシルマブ併用療法においては好中球減少などの毒性の増加に留意が必要であり、またラムシルマブ使用により血管新生阻害作用に伴う高血圧や尿蛋白などの特徴的な毒性の頻度が増加するために、二次療法の選択に際しては、患者ごとにリスク・ベネフィットバランスを考慮する必要があるとしています。 「ラムシルマブ単独療法」については、REGARD試験において、ラムシルマブ単独療法の生存延長効果が確認されたが、日本における二次療法の標準治療とは異なるプラセボとの比較であったこと、および日本が参加していなかったことにより、推奨度2となっています。