7 月30日、バイエル薬品株式会社は、分子標的薬ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)について、甲状腺がん治療薬として承認申請を行ったと発表しました。
今回の申請は、「根治切除不能な分化型甲状腺がん」に、「甲状腺未分化がん」および「甲状腺髄様がん」を追加を目的としたもので日本人患者さんを対象に実施したソラフェニブの国内第II 相臨床試験の成績に基づいているとのことです。

【未分化型甲状腺がんについて】
日本人における甲状腺がん患者数は約13,000~29,000 人です。主に乳頭癌、濾胞癌、低分化癌を含む分化型甲状腺癌は、全甲状腺癌の95%以上を占めますが、甲状腺未分化癌、甲状腺髄様癌はそれぞれ全体の1~2%と非常に稀な癌です。
甲状腺未分化癌は進行が非常に早く、極めて予後不良です。治療は、手術、放射線外照射、化学療法(抗がん剤治療)を組み合わせて行うのが一般的ですが、標準的な治療法は確立されていません。甲状腺髄様癌は分化型甲状腺癌と同様に進行が比較的緩徐であり、治療の第一選択肢は手術ですが、進行すると予後不良となります。
進行性の甲状腺髄様癌に対して有効性が報告されている治療薬もありますが、いまだ標準療法としては確立しておらず、治療選択肢のメディカルニーズは高いと言えます。このように、甲状腺未分化癌や進行した甲状腺髄様癌に対する治療選択肢は限られていました。
(バイエルのプレスリリースを若干改変)
図5

【ネクサバールについて】
ネクサバールは、肝細胞癌、腎細胞癌、分化型甲状腺癌の治療薬として販売されています。ネクサバールは腫瘍の増殖に重要な役割を果たす細胞増殖(腫瘍の成長)と血管新生(腫瘍への血液供給)のそれぞれに関与すると考えられている複数のキナーゼ(Rafキナーゼ、VEGFR-1、VEGFR-2、VEGFR-3、PDGFR-B、KIT、FLT-3、RETなど)に作用することが示されています。

バイエル薬品のプレスリリースはコチラ

記事:可知 健太


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