7月13日、スイスのロシュは、免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-L1抗体)アテゾリズマブ(MPDL3280A)の、進行膀胱がん患者を対象とした第2相臨床試験結果を発表しました。(日本では実施していません)

PD-L1はがん細胞上に発現するタンパク質であり、免疫細胞の一種であるT細胞に存在するPD-1というタンパク質と結合することで、免疫応答を制御する働きがあります。この働きを免疫チェックポイントといい、T細胞ががん細胞を攻撃しないように制御してしまいます。
アテゾリズマブはPD-L1に結合することで、免疫チェックポイントを抑制することができ、T細胞が積極的にがんを攻撃できるようになります。

今回は進行膀胱がんに対して「プラチナ製剤(商品名ブリプラチン、ランダ)が使用できない方」か、「プラチナ製剤を使用中または治療終了後にがんが進行してしまった方」を対象にアテゾリズマブを使用するという試験となります。

結果の詳細は近日中に発表されるとのことですが、「プラチナ製剤を使用中または治療終了後にがんが進行してしまった方」に関して腫瘍縮小効果が認めれたと発表しています。(「プラチナ製剤が使用できない方」に対してのデータはまだ揃っていないとのこと)
がん細胞上のPD-L1タンパクの量は臨床試験に参加する際の条件ではありませんでしたが、量が多いほど効果が多い傾向が認められたとのことです。
なお、有害事象の発現に関してはこれまでのアテゾリズマブの臨床試験で認められたものと同様であったとのことです。

転移性の進行膀胱がんの治療は、過去30年近く治療法に大きな進歩していません。昨年、米食品医薬品局(FDA)は、PD-L1陽性の転移性膀胱がんにおいて、アテゾリズマブを画期的治療薬に指定しています。

この試験の臨床試験情報(clinical trials.gov英語)↓
A Study of MPDL3280A in Patients With Locally Advanced or Metastatic Urothelial Bladder Cancer

ロシュのプレスリリースはコチラ(英語)

【MPDL3280Aの臨床試験情報(JAPIC-CTIより)】
局所進行又は転移性尿路上皮膀胱癌患者を対象としたMPDL3280A と化学療法を比較する第III相臨床試験
IV期扁平上皮NSCLC患者において、カルボプラチン+パクリタキセル若しくはカルボプラチン+nabパクリタキセルとMPDL3280Aの併用をカルボプラチン+nabパクリタキセルと比較する第III相臨床試験
IV期非扁平上皮NSCLC患者におけるMPDL3280Aとシスプラチン若しくはカルボプラチン+ペメトレキセドの比較試験
IV期非扁平上皮NSCLC患者において、カルボプラチン+パクリタキセル若しくはカルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブとMPDL3280Aの併用をカルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブと比較する第III相臨床試験

PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬

記事:可知 健太


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