5月29日~6月2日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO:あすこ)にて、「進行胃がんに対して免疫チェックポイント阻害薬ペンブロリズマブの第1相試験」の解析結果を韓国Seoul National University College of Medicine(国立ソウル大学病院)のYung-Jue Bang氏によって発表されました。

この試験は、がん細胞にPD-L1というタンパク質が存在している進行胃がん患者39人(日本人含む)に対して抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(キイトルーダ/キートルーダ))を最大で24か月使用したときの効果を確認しました。

ポイントは以下の通りです。

1.少しでも腫瘍が縮小した患者は53.1%で、30%以上腫瘍が縮小した割合は22.2%だった。がんが消失した割合は0%だった。
2.6カ月効果が持続した割合は26%。6カ月生存された割合は66%であり、中央値は11.4カ月であった。(これは通常よりも長いと考えられる)
3.中等度~重度の副作用は39人中5人に確認された。
4.1~3を総括してペンブロリズマブは胃がんに対しても有望な薬剤である可能性が示唆された。

<オンコロスタッフコメント>
今回の解析結果にて、胃がん細胞にPD-L1が発現している割合は162人中65人(40%)だったとのことです。「抗体」といわれる薬剤を使用する際には、抗体のターゲットとなるタンパク質やDNAがないと効果が乏しくなると考えられており、どのがんにどの程度ターゲットとなるタンパク質が発現しているかをフォローすると理解が深まると思います。

【参考】
 ASCO2015 Abstract(英語)
 この試験の情報:Clinical trials.gov(英語)

【免疫チェックポイント阻害薬とは?】
免疫システムが暴走を防ぐために抑制するタンパク質が免疫系の細胞に、発現して制御します。これを免疫チェックポイントといいます。がん細胞にもこのタンパク質が発現するため、がん細胞に対する免疫システムが機能しなくなります。免疫チェックポイント阻害薬はこの制御機能を抑制するため、がんに対する免疫システムを作動させることが期待できます。

PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬
記事:可知


人気記事