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小児がん ハイリスクなウィルムス腫瘍(腎芽腫) 薬剤治療の強化が良好な治療成績 ASCO2015
[公開日] 2015.06.04[最終更新日] 2015.06.04
5月29日~6月2日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会ASCOの年次総会にて、「ある染色体異常を伴うハイリスクなウィルムス腫瘍に対する標準療法の強化に関する第3相臨床試験結果」がカナダ ブリティッシュコロンビアこども病院のDavid B.Dix氏によって発表されました。
なお、本研究は2015年ASCO年次総会で発表される研究を代表する4つの試験結果のうちの1つとなり、年次総会に先立ち5月13日にASCOが公表禁止制限付き報道会見されています。(ただし、残念ながらオンコロスタッフが確認する限り、日本国内で報道されていません。)
ウィルムス腫瘍(腎芽腫)は小児三大固形がんのひとつで、日本では年間80~100人が発症していると考えられ、治療後の再発率は80~90%となります。ただし、ある染色体異常を伴うウィルムス腫瘍は、再発と死亡のリスクが高いとされています(再発率65%~75%)。ウィルムス腫瘍についてはコチラ:日本小児外科学会
上記の試験では、上述のハイリスクのウィルムス腫瘍患者に対して、標準治療とする抗がん剤の組み合わせに更に別の抗がん剤を加えて効果を確認する試験でした。
この試験のポイントは以下の通りです。
1.ハイリスクなウィルムス腫瘍患者は1,134人中87人(ステージ1~2:35人、ステージ3~4:52人)(約7.6%)だった。
2.ステージ1~2の患者には3種類の抗がん剤療法を実施、ステージ3~4の患者には5種類の抗がん剤療法を実施した。
3.結果、4年間再発認められない割合が大きく上昇した。(ステージ1~2:74.9%→83.9%、ステージ3~4:65.9%→91.5%)
4.短期的な副作用として60%の患者で骨髄抑制(免疫細胞の減少)が認められたが、管理できるものであった。ただし、長期的な副作用としては生殖機能の低下が懸念される。
<ニュース担当コメント>
報道会見があったにもかかわらず、話題にあがっていないことから記事にしました。日本人で上記に当てはまる患者さんは年間2~3人程度ということになります。そんなお子さんの親御さんにもこの情報が届けばいいなと思います。カチ
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