5月26日、Meiji Seika ファルマ株式会社は、光線力学的療法用剤(PDT:光の力で抗腫瘍効果を活性化させる薬剤*)であるタラポルフィン(商品名:レザフィリン)について、化学放射線療法か放射線療法を行ったにもかかわらず、食道に腫瘍が残ってしまったり食道に再発が見つかった場合の食道がんへの適応を承認取得したと発表しました。なお、本剤は本疾患について、希少疾病用医薬品に指定されています。

光線力学的療法用剤は、腫瘍組織に浸透しやすい光感受性物質(光を当てると高エネルギーを生み出す物質)を体内に投与し、レーザ光を当てた部位の腫瘍組織を壊死させる局所治療法です。高出力レーザによって腫瘍組織を「焼く」治療法とは異なり、低エネルギーで病巣を選択的に治療することが可能です。よって、正常組織への影響が少なく、身体への負担が軽減できます。

タラポルフィンは、2012年より京都大学、国立がん研究センター東病院を中心に医師主導治験として、有効性および安全性について検討を実施し、腫瘍が消失した割合は88.5%とのことです。(京都大学プレスリリース参照

なお、タラポルフィンは光線力学的療法用剤として、2003年に早期肺がん、また2013年に悪性脳腫瘍を追加適応として承認されています。

*光線力学的療法について(プレスリリース転載)
光線力学的療法(Photodynamic therapy:PDT)はポルフィリン関連化合物などの腫瘍親和性光感受性物質と低出力レーザ光によって生じる光化学反応により殺細胞効果を引き起こす治療法です。 PDTは高出力レーザによる焼灼・熱凝固、蒸散といった「焼く」治療法とは異なり、低エネルギーで病巣を選択的に治療する事が可能です。

Meiji Seika ファルマ株式会社プレスリリースへ

<オンコロスタッフコメント>
化学放射線療法か放射線療法を行ったにもかかわらず、腫瘍が残ってしまったり食道部に再発が見つかった場合の治療法としては、手術、内視鏡的治療、薬剤療法などが試みられていますが、未だ標準治療がありません。よって、選択肢を広げる意味では期待される薬剤ではないでしょうか。なお、この利用法は専門性が高い治療法とのことですが、上述に記載されている臨床試験(治験)を行った病院は以下の通りです。

京都大学医学部附属病院(京都府) 、国立がん研究センター東病院(千葉県) 、名古屋市立大学病院(愛知県) 、兵庫県立がんセンター(兵庫県) 、大阪府立成人病センター(大阪府)、長崎大学病院(長崎県) 、静岡県立静岡がんセンター(静岡県)

UMIN000009184参照

カチ(利益相反はありません)


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