オンコロライブ 2026 のアウェアネス・アンバサダーを務める月埜みみさん(煌めき☆アンフォレント)が、がんに関わるさまざまな立場の方々の想いに向き合うインタビューシリーズ。7回目のゲストは、悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫)を経験しながら、TikTok LIVEを通じて自身の体験や想いを発信しているTikToker・りんぱちゃんです。
治療中のリアルな気持ち、病気によって変化した価値観、そして“発信すること”への想いを、等身大の言葉で届け続けています。SNS、とくにTikTok LIVEという場を通じて、多くの人とつながりながら、「病気になっても、自分らしく生きること」を発信する彼女。その姿に励まされている患者さんや若い世代も少なくありません。
今回のインタビューでは、悪性リンパ腫と診断された当時のこと、闘病生活の中で感じた苦しさや支え、そしてなぜ配信を始めたのか――。りんぱちゃんの素顔と、“伝える理由”に迫ります。
インタビュイー:りんぱちゃん(TikToker/悪性リンパ腫サバイバー)
インタビュアー:月埜みみ(オンコロライブ2026 アウェアネス・アンバサダー)
りんぱちゃんってどんな人? 〜診断から現在まで〜
月埜みみ(以下、月埜): オンコロライブ2026のアウェアネス・アンバサダーで、現役看護師をやりながらアイドルをしている、月埜みみです。本日は、よろしくお願いします。
りんぱちゃん:よろしくお願いいたします。
月埜:最初に、りんぱちゃんの簡単なプロフィールを教えてください。
りんぱちゃん:私は、19歳で悪性リンパ腫に罹患しました。現在は寛解していますが、維持療法を続けております。普段は、TikTok LIVEで、自分のがんの経験や、がんの早期発見の重要性などについて、発信しています。自分の経験が誰かの気づきや安心につながれば嬉しいです。
月埜:素晴らしい活動ですね。
悪性リンパ腫が見つかった時、最初はどんな症状やきっかけがあったのでしょうか?
りんぱちゃん:2024年1月頃から咳や胸の痛みが始まり、一度は落ち着いたものの、2月に入ると39度の高熱が出て救急外来を受診しました。インフルエンザや新型コロナウイルスは陰性だったため、解熱剤を服用して様子を見ていましたが、その後も10日ほど発熱が続きました。
3月には、再び高熱に襲われ、強い倦怠感や体重減少も重なり、座っていることも眠ることも辛い状況でした。総合内科を受診し、血液検査でCRPの数値が25を超えていて、白血球数も2万を上回るという異常な値でした。
まずは肺炎の疑いということで、単純CTとレントゲンを撮影することになったんです。数日後、放射線科の先生から連絡があり、「悪性リンパ腫の可能性があります」と告げられました。すぐに血液内科を受診して、造影CTや、病名を特定するための生検を何度も行いました。
最終的に、全身麻酔をし、右頸部リンパ節を摘出して、2024年の6月6日に結節硬化型の古典的ホジキンリンパ腫と診断されました。
月埜:辛い症状が続いたんですね。
りんぱちゃん:そうなんです。座っていることも難しくて、母に食事介助をしてもらうほど衰弱していました。声を出すことも、大好きなサーモンひとつ食べることも難しかったです。そういった状況だったので、本当に命の危険を感じました。最初の診断から確定診断まで、5ヶ月ほどかかりました。
月埜:診断を受けた時の率直な気持ちや、当時いちばん不安だったことを教えてください。
りんぱちゃん:診断を受けた時は、強い衝撃があったというよりも、「やっぱりそうだったんだな」という気持ちのほうが大きかったです。それまで何ヶ月も体調が本当に悪くて、自分でも「ただの風邪ではない」「明らかにいつもと違う」と感じていました。
最初に悪性リンパ腫の可能性があると言われた時点で、「がんかもしれない」と大きな絶望を感じていました。そのため、最終的に診断がついた時は、もちろん怖さはありましたが、ようやく病名が分かって納得できたという思いが本当に大きかったです。
当時一番不安だったことは、がんに対する知識が全くなかったので、自分の体の中で何が起きているのかとか、あとはこれからどのような治療をするのか、全く不透明だったことですかね。先が見えないことへの不安がとても大きかったのを今でも覚えております。
一番辛かったことは、自分自身のことよりも家族のことでした。19歳というこれからの時期に、一人娘である私のことで大きな負担や心配をかけてしまうということが本当に申し訳なくて、心が痛みました。外来には母が付き添ってくれたので、心強かったです。
入院中の写真。
闘病生活のリアル 〜支えになったもの、苦しかったこと〜
月埜:治療中、とくにつらかったことや、「これは大変だった」という経験はありますか?
りんぱちゃん:これまでさまざまな治療を経験してきましたが、一番辛かったのは自家造血幹細胞移植の時期でした。大量の抗がん剤を投与した後に、骨髄がほとんど働かなくなる骨髄抑制がすごくひどかったんです。移植した幹細胞が体の中で生着するのを待つ期間は、ご飯を食べることや水分をとることはもちろん、うがい、起き上がること、スマホを見ること、目を開けることさえきつい状態でした。
さらに、薬の影響で、手足には強い痒みを伴う紅斑ができ、眠っていても痒みで何度も目が覚めてしまうため、薬を塗りながら常に冷やしていました。その一方で、抗がん剤によって小腸の粘膜が傷つき、激しい下痢が続いていたためにお腹は温める必要があり、体を「冷やしながら温める」という本当に大変な状態でした。
また、常に口の中に上がってくる痰などの分泌物を、自分で吸引器を使って吸引していたのですが、その吸引によって吐き気が誘発されてしまうことも辛かったです。中心静脈カテーテルを入れて絶食していたにもかかわらず、胆汁を何度も吐いてしまうこともありました。
体力的にも精神的にも非常に過酷な時期でしたが、今振り返ると、あの経験を乗り越えられたからこそ、自分にとっては大きな自信になったと思っています。
自家造血幹細胞移植の際に入院していた病室の写真。
月埜:とても辛かったと思いますが、一方で「これが支えになった」という人や言葉、出来事があれば教えてください。
りんぱちゃん:闘病中は、家族をはじめ、主治医の先生方や看護師さんなどの医療従事者の皆さん、そしてTikTokのリスナーさんたちなど、本当に多くの方々に支えられました。
とくに印象に残っているのは、自家造血幹細胞移植の前処置として大量の抗がん剤治療を受けていたときのことです。ある日の回診で、医師の皆さんから、「今日は当直なのでリアルセコムですよ」と声をかけていただきました。さらに翌日も、外来の主治医の先生から、「今日も自分はリアルセコムだからね」と言ってもらえたんです。先生方からの「頑張りましょう」という言葉ももちろん嬉しいのですが、初めての大量抗がん剤治療で不安だった私にとって、その「セコム」という言葉は特別な安心感がありました。
何かあればすぐに駆けつけてくれるような心強さがあり、「自分は1人じゃないんだ」「何かあっても助けてもらえる」と、不安でいっぱいだった心が本当に救われました。病気と向き合う中でたくさんの優しさや思いやりに触れ、孤独感が消えて、それが大きな支えになりました。
月埜:「リアルセコム」という言葉、ものすごく心強いですね。医療従事者の方々の温かいユーモアと、何があっても守るという強い覚悟が伝わってきて、お話を聞いているこちらまで胸が熱くなります。
病気を経験したことで、自分自身の考え方や価値観にまた変化はありましたか?
りんぱちゃん:病気になる前の私と今の私は、別人かと思うくらいに変わりました。以前は、面接などで自分の長所を答えるときも、「本当にこれが自分の長所なのかな」「これでいいのかな」と、どこか自信が持てずにいましたが、病気になり、「嫌なことでも乗り越えないと生きていけない」という厳しい現実に直面したことで、自分の忍耐力や継続力に対して、今では心から自信を持って長所だと言えるようになりました。
また、これまでは人の意見に流されやすい他人軸な性格だったのですが、自分で自分の人生を作っていくんだという強い気持ちが芽生えました。「病気だからダメなんだ」ということではなく、一人の人間がたまたま病気になっただけ。だからこそ、これからは自分の人生を自分で作っていこうという自分軸になれた気がしています。
月埜:過酷な経験を自信に変え、自分の足でしっかりと未来へ歩み出そうとする姿が本当にかっこいいです。
なぜTikTokで発信を始めたの? 〜“配信”に込めた想い〜
月埜:TikTok LIVEで発信を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
りんぱちゃん:TikTok LIVEで配信を始めた背景には、自分自身がTikTok LIVEに救われたという経験があります。確定診断がつくまでの長い間、私はほとんど寝たきりの状態で、不安な日々を過ごしていました。そんな時、生後間もない赤ちゃんと、お母さんが配信しているTikTok LIVEをよく見ていました。生まれて1年も経っていない赤ちゃんのキラキラした生命力をすごく感じました。その姿に心が癒されて、その方の配信が私の支えになっていました。だからこそ、今度は私が誰かの支えになるような配信がしたい、と思ったのがひとつのきっかけです。
私自身、確定診断がつくまでに長い時間がかかり本当に苦しい思いをしたからこそ、早期発見の大切さを伝えていきたいと思いました。若い世代でもがんになることがあること、体に異変を感じたらすぐに病院を受診すること、そして年齢を重ねたら定期的にがん検診を受けることなど、発信を通して、「自分の体を大切にしてほしい」というメッセージを届けていきたいです。
現実的なお話をすると、私は、「良くなる未来」と「悪くなる未来」のどちらも考えてしまうところがありました。そのため、万が一のことがあったときでも、誰かの心に私の存在が残ってくれたらいいな、何かを残したいなという気持ちがありました。そうした思いもすべて含めて、私が明るく配信をすることで、「がん患者さん」という言葉に対する世間の固定観念を少しでも変えられたらいいなと思っています。
配信で使用していた、りんぱちゃん自身のホジキンリンパ腫の初期症状をまとめた画像。
月埜:私もTikTok LIVEを拝見しましたが、お顔が見えなくても明るい表情が浮かぶほど配信が上手で、話し方も本当に分かりやすいですね。
りんぱちゃん:いえいえ、とんでもないです。ありがとうございます。
月埜:配信では、どんなことを大切にしながらリスナーと向き合っていますか?
りんぱちゃん:配信では、闘病のリアルをそのまま届けることを大切にしています。治療の経過や副作用は人によって異なると思いますが、これはあくまで私自身の経験です、ということを常に意識して発信するようにしています。
あとは、今まさに治療中の方や、大切な検査や治療を控えて不安を抱えている方々にとって、私の配信が少しでも安心できる場所であり、心の拠り所のような存在になれたらいいなと思っています。
月埜:りんぱちゃんの配信を見て元気をもらっている人は、たくさんいると思います。
実際に発信を続ける中で、「やっていて良かった」と感じた出来事はありますか?
りんぱちゃん:私は寛解後の今でも、維持療法を続けていて、治療が完全に終わったわけではありません。後遺症や将来への不安から、気持ちが落ち込んでしまうことも多々あります。
そんな時に配信をすると、仕事や家事、介護など、それぞれの人生を一生懸命に生きていらっしゃるさまざまな立場の方々と出会えます。がんサバイバーの方だけでなく、そうした日々を闘う皆さんからいろいろなお話を聞くことで、「あ、皆さんも頑張っているんだな」と感じ、私自身がすごく救われ、前向きになることができます。
月埜:りんぱちゃんとリスナーさんは、毎日の生活のなかで、お互いにパワーを送り合っているような、すごく素敵な関係ですね。
“病気になっても人生は続く”〜これから伝えたいこと〜
月埜:今、がんや病気と向き合っている若い世代へ、伝えたいことはありますか?
りんぱちゃん:今まさに病気と向き合っている若い世代の方々には、「頑張れ」とか「前を向いてね」という言葉よりも、まずは今の自分をたくさん褒めて、認めてあげてほしいなと思います。
若い時期に病気になると、まわりと比べて焦ったり、もどかしくなったりすることが多いはずです。でも、治療に向き合っているだけでも本当に十分頑張っています。「ここまで耐えてくれてありがとう」と、自分の体に感謝してあげてほしいです。
がんの経験は苦しいだけではなく、命の尊さや、当たり前の日常がどれほど奇跡的なことなのかを教えてくれます。人生も映画と同じで、色々な困難を乗り越えて最後にハッピーエンドを迎えるからこそ、本当に深い価値が生まれるんじゃないかなと思っています。
月埜:素敵な言葉ですね。今がんや病気と向き合っている若い世代へ、絶対に届いてると思います。
「病気になったからできなくなった」ではなく、「病気になったからこそ見えたもの」はありますか?
りんぱちゃん:病院の帰り道などに、よく車の窓から外を眺めていたのですが、買い物に行っている家族連れの方々や、道端の花や草木、太陽の光、晴れの日も雨の日も、すべてのものが本当に力強く輝いて見えるようになりました。
今この瞬間を心から楽しむこと、美味しいものを食べた時には写真を残すこと、そして大切な人と過ごす時間をしっかり味わうこと。そうした何気ない日常のひとつひとつを、今は本当に噛み締めて大切にしていけるようになったなと感じています。
月埜:では最後に、これから挑戦してみたいことや今後の目標を教えてください。
りんぱちゃん:今後は、これまで以上にSNS活動に力を入れていけたらなと思っています。
まだ詳しくはお話していないのですが、闘病中に新しい将来の夢が見つかりました。今はその夢に向かって、自分のペースで大学受験に挑戦していきたいなと思っています。
病気を経験したからこそ、それを自分だけの出来事で終わらせるのではなく、私の経験がいつか誰かへの恩返しに繋がるような、そんな生き方をしていきたいです。
月埜:素敵な夢をお聞かせいただき、ありがとうございます。応援しています。本日は、ありがとうございました。
【インタビュー後記/月埜みみ】
今回お話を伺ったりんぱちゃんは、19歳で悪性リンパ腫を経験しながらも、その体験を前向きな発信へとつなげている、とても素敵な方でした。
治療中の壮絶なお話には胸が締め付けられましたが、それ以上に印象的だったのは、「病気になったからこそ見えたもの」を大切にしながら、自分らしく未来へ進もうとしている姿です。
また、自身が支えられた経験から、「今度は誰かの支えになりたい」とTikTok LIVEで発信を続ける姿勢にも大きな勇気をいただきました。
看護師として、そして同世代の一人として、りんぱちゃんのお話から改めて感じたのは、病気になっても人生は続き、その先にも新しい夢や可能性があるということです。
今回のインタビューが、病気と向き合う誰かの希望や励みにつながれば嬉しく思います。りんぱちゃん、ありがとうございました。
【りんぱちゃん情報】
りんぱちゃんTikTok:
https://www.tiktok.com/@lymph24chan
【Remember Girl’s Power !!(オンコロライブ)2026】
現役看護師アイドルがアウェアネス・アンバサダーを務めるRemember Girl’s Power !!(オンコロライブ)2026は、例年通り、豊島区との共催で、2026年9月17日(木)、18日(金)、19日(土)、20日(日)の4日間に渡り池袋西口公園野外劇場 グローバルリングシアターにて開催します。詳細情報は、公式ホームページや公式SNSをご参照ください。
オンコロライブ2025ダイジェスト動画:
https://www.youtube.com/watch?v=wc0lxrPdwE0
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