オンコロライブ2026のアウェアネス・アンバサダーを務める月埜みみさん(煌めき☆アンフォレント)が、AYA世代のがんサバイバーに向き合い、その“生きる力”に迫る新シリーズがスタートします。
第1回目のゲストは、現役格闘家でありながら肝臓がんを経験し、治療を経てリングに戻り、さらにパーソナルジムを開業した高須将大(たかす しょうた)さんです。
“沈黙の臓器”と呼ばれる肝臓の病に気づいた瞬間、治療中の葛藤、そして再び前に進むための心の支え——。
看護師として患者の心に寄り添ってきた月埜みみ(つきの みみ)さんが、医療者としての視点と、人としてのまっすぐな問いかけで、高須さんの「闘い」と「再生」を丁寧に紐解いていきます。
がんと共に生きるとは何か。困難を力に変えるとはどういうことか。その答えが、ここにあります。
インタビュイー:高須将大さん(肝臓がんサバイバー・現役格闘家/パーソナルジム経営)
インタビュアー:月埜みみ(オンコロライブ2026 アウェアネス・アンバサダー)
高須将大という人間を知る – 格闘家としての歩みと価値観
月埜みみ(以下、月埜):私は以前、4年ほど看護師をしていて、がん治療の化学療法や緩和ケア病棟など、がんに携わる現場で働いていました。
今日はその経験も生かしながら、高須さんの「人間」としての部分を伺っていければと思います。
まずは、自己紹介と格闘家としての歩みを教えていただけますか?
高須将大(以下、高須)さん:高須将大と言います。今は32歳で、24歳の時に肝臓がんになりました。ステージ4Bと診断されましたが、治療を終えてもう6年経っています。
現在、現役で総合格闘家とパーソナルジムの経営をしています。格闘技を始めたのは20歳の時です。小中高と野球をやっていましたが、就職後に何か熱中できるものが欲しいと思って、たまたま近くにあった道場に通い始めたのがきっかけでハマりました。23歳でプロデビューできたのですが、その翌年、24歳のときに肝臓がんになりました。
月埜:格闘家として高須さんが大切にしている「強さの定義」とは何でしょうか?
高須さん:物理的な強さもありますが、「どんな状況でも諦めないこと」が僕の定義です。格闘技では自分より強い相手が出てきますが、そこで心を折らずに戦い続ける。それは病気の時も同じで、諦めずに闘病できたことは、自分の中で大切にしている部分です。
月埜:素敵ですね。逆に、リングの外ではどんな方ですか?
高須さん:友人からはよく「抜けてる」とか「天然」って言われますね。あと、美味しいものを食べるのが好きで、焼肉も好きですが、実は甘いものの方が好きかもしれません。よくバターが入ったどら焼きを食べています。
月埜:すごいギャップがあって意外です。
肝臓がんの罹患 – 予兆・診断・治療、その時の心の動き
月埜:ここからは看護師としての視点も交えて伺います。普段から健康管理などで意識していることはありますか?
高須さん:一番大切にしてるのは、睡眠をしっかり取ることですね。格闘技で体を酷使してるんので、疲れを感じたらしっかり休むことを意識してます。あと細かいことで言うと、サプリメントを使ってビタミン系などはしっかり取るようにしてます。
月埜:やっぱり睡眠と休みと栄養素が重要なんですね。
24歳の時に肝臓がんになられたということですが、肝臓は「沈黙の臓器」と言われていると思うのですが、最初に気づいた異変はどのようなことでしたか?
高須さん:きっかけは、試合が決まっていてスパーリングをしていた時にお腹を蹴られたことでした。その痛みがずっと引かず、仕事もできないほどだったので肋骨が折れたと思って病院に行きました。そうしたら骨折ではなく、肝臓に巨大な腫瘍が見つかったんです。
月埜:もしその一撃がなかったら、発見が遅れていた可能性もありますよね。
高須さん:そうですね。お腹を蹴られていなかったら気づけなかったので、あの時蹴られてよかったなと思いました。
診断時の心境と治療
月埜:診断を受けた瞬間、どんな思いが浮かびましたか?
高須さん:がんの知識は全くなかったのですが、腫瘍が10cm以上あると言われて、「死ぬのかな」と最初に思いました。試合もキャンセルしなきゃいけないし、感情が一気に押し寄せてきて怖かったですね。
月埜:治療方針が決まっていく中で、支えになった言葉はありましたか?
高須さん:セカンドオピニオンで出会った今の主治医が、きちんと道筋を立ててくれたことに救われました。「まず化学療法で抑えて、うまくいったら開腹手術まで行きましょう」と。そして、「一緒に頑張りましょう」と言ってくれた言葉には本当に助けられました。
月埜:治療は孤独になりがちなので、「一緒に」という言葉は大きいですね。
副作用やボディイメージの変化についてはいかがでしたか?
高須さん:化学療法と並行して服用した抗がん剤でアレルギー反応が出てしまい、顔から足まで湿疹だらけになりました。その後もニキビだらけのようになってしまって……。「病人に見られたくない」という思いが強かったので、人に会いたくなかったし、精神的にきつかったですね。
身体と向き合う時間 – 格闘家としての再起、心身の変化
月埜:ご家族とか友達に肝臓がんになったことを伝えた時、どんな反応でしたか?
高須さん:家族はびっくりしてたと思いますけど、過度な心配とかしてもらいたくなかったし、両親もそれを分かっていたと思うので、変に気を使われたりとかはありませんでした。それはすごい嬉しかったですね。ただ、入院中とか自分がきつい時にはサポートしてくれて、助けられました。
友人は、最初は腫れ物に触るような扱いはされたくなかったので、がんになったと言いづらかったんですけど、言ったらいつも通り接してくれました。「もうちょっと気を使ってくれ」って思うぐらい普段通り接してくれました。それが良かったですね。
月埜:治療後、心や体に変化はありましたか?
高須さん:体に関しては、治療直後は筋肉も体力も落ちましたが、3ヶ月ほど毎日運動して元に戻りました。お腹も2回切りましたが、大きな変化はありません。
心の変化としては、「時間は有限なんだ」と改めて感じました。それ以来、格闘技の練習もしっかり考えて取り組むようになったし、やりたいことはどんどんやろうと思って、サラリーマンを退職して、パーソナルジムを開業しました。
格闘技と闘病の共通点・これからの目標
月埜:大きな手術や治療をした後に、どのような気持ちで体と向き合ってきましたか?
高須さん:開腹手術とか抗がん剤は怖い部分もありましたが、その先を見て「この病気を治して、格闘技を絶対頑張ってやるんだ」という気持ちがあったので、前向きに取り組むことができました。
月埜:「闘病」と「格闘技」の間で、共通していると感じることはありますか?
高須さん:「頑張ればどうにかなるのかな」という点ですね(笑)。格闘技も強い相手に対して戦い方次第で勝てることがあります。今回の治療も、セカンドオピニオンで「戦い方(治療法)」を変えたことによって病気が治ったと思うので、そういう戦略的な部分は共通しているのかなと思います。
同じ病と向き合う人に伝えたいメッセージ
月埜:再発への不安とは、どのように折り合いをつけていますか?
高須さん:再発の恐怖とは今も戦っています。でも、信頼できる主治医がいるので「もし再発しても助けてくれるだろう」という信頼感があります。だからこそ、いつ再発してもいいように、今は全力で生きている状態です。
月埜:パーソナルジムを開業して新しい挑戦に踏み出した背景を教えてください。
高須さん:僕は病気を治すことはできないんですけど、運動と健康はリンクしてる部分があると思っています。僕のパーソナルジムを通して運動が当たり前になって、一人でも健康になってほしいという気持ちがあるので、それを自分のジムで実現したいと思ってます。
月埜:最後に、同じ病気の方へのメッセージと、これからの目標を教えてください。
高須さん:僕が闘病に前向きに向き合えたのは、格闘技という存在があったからです。病気になっても人生は続くので、自分の好きなことや目標は諦めないでほしい。それがあれば、闘病に対しても少し前向きになれると思います。これからの目標は、自分のジムを通して一人でも多くの人を健康にすること。そして、まだ格闘技でチャンピオンになれていないので、ベルトを取りに行きたいと思っています。
月埜:応援しています。今日はありがとうございました!
高須さん:ありがとうございました。今度ライブ観に行きますね!
【インタビュー後記/月埜みみ】
高須さんのお話を伺いながら、「がんと向き合うこと」と「自分の人生を生き続けること」は、決して切り離されたものではないのだと改めて感じました。
看護師として患者さんと向き合ってきた中で、病気の話の先にある“その人の人生”に、どれだけ寄り添えるかが大切だと感じてきました。今回のインタビューは、その原点を思い出させてくれる時間でした。
高須さんの言葉が、今治療と向き合っている方や、そのご家族にとって、小さな支えや希望につながれば嬉しいです。
【高須将大さん情報】
高須将大さんInstagram:
https://www.instagram.com/takasushota/
A-STUDIO CLIFF:
https://a-studio-cliff.com/
【Remember Girl‘s Power !!(オンコロライブ)2026】
現役看護師アイドルがアウェアネス・アンバサダーを務めるRemember Girl‘s Power !!(オンコロライブ)2026は、例年通り、豊島区との共催で、2026年9月17日(木)、18日(金)、19日(土)、20日(日)の4日間に渡り池袋西口公園野外劇場 グローバルリングシアターにて開催します。詳細情報は、公式ホームページや公式SNSを参照下さい。
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