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【特集】がん患者の子供を支援するGCLS研究会 Part1~がん研究会有明病院~

[公開日] 2016.08.22[最終更新日] 2016.08.22

国立がん研究センターより1年間でがんに罹患する患者数が100万人を超える予測が発表されました。また年間のがんの死亡者数は約37万人で年々増加をしています。 これから複数回にわたってご紹介するGCLS(Ganken Child Life Support)研究会はがん研究会有明病院内の有志で、がんと闘っているがん患者の子供および、がんで親を失う子供たちの社会的・心理的サポートについて取り組もうとしています S__21340175 GCLS研究会発起人兼 がん研究会有明病院 消化器化学療法科 市村 崇先生
  -今回、GCLS研究会を立ち上げた経緯を教えてください。 市村 かなり前になりますが、進行した胃がんで治療導入のために入院となった女性がいました。その時、ご本人とご主人に今後の治療のスケジュール・副作用についてお話をしました。その際、かなり進行もしていたため、ご主人にだけ余命1年ほどであることを伝えました。するとその日の夜に、妻の余命宣告が引き金となってしまったのか、ご主人が自殺をしてしまったのです。後にご主人はうつ病で治療中だとわかりました。 その夫婦には当時高校生の子供がいましたが、母親ががんになったことについて親戚から心無い言葉を浴びせられ、精神的に不安定になってしまいました。私はこの経験から多くのことを学び反省しました。患者に向き合って最善の治療を行うことはもちろん必要なことですが、病気そのものや患者自身だけでなく、患者の家族、特に子供の心のケアが大切だと感じたのです。これがGCLS研究会を始めるきっかけとなったエピソードです。 -最初はどのように始まったのですか? 市村 消化器化学療法科に入院している患者は比較的、若い方が多く、未成年の子供の親であるということも多々あります。そういった患者を看護している看護師の中には、患者の心のケアだけでなく、患者の子供の心のケアも必要だと感じている看護師がいました。そんな思いを持っている整形外科病棟出身の看護師とたまたま病棟で、何かの会話の流れで、先ほどの話しをしたことから始まりました。同じ思いを持っている看護師がいることがわかり、まずは同志を集めて勉強会をしようという事になりました。 第一回のGCLS研究会は今からおよそ1年前になりますが、私と看護師5名の合計6名で、がん患者の子供の心のケアについての講演会の動画を見て、それぞれの思いを語ることから始めました。現在では医師・看護師・SW・臨床心理士・腫瘍精神科医師・緩和ケア科医師・ボランティア・院外チャイルドライフスペシャリスト20名ほどで活動をしています。 -現在はどのような活動をしていらっしゃいますか? 市村 月に1回、有志のメンバーで集まり患者さんやその家族の情報を共有し、もし子供に関する何らかの問題があれば、解決策がないか話し合いを行っております。そして、具体的には、社会的サポートはSWやボランティア、心理的サポートは臨床心理士・緩和ケアチームが患者に直接介入を行ったり、病棟に患者の子供が来た場合には看護師が何らかの介入を行ったりしています。また、我々に子どもの専門家は一人もいませんので、定期的な勉強会も開催しています。 -どのようなところに現在の取り組まれている問題を感じていますか? 市村 患者の子供に対する直接的な介入については、病院に患者の子供が来ないとできないという状況があります。患者を通して、情報を仕入れてアドバイスをするという限定的な介入しかできないという限界があります。さらに、患者が亡くなってしまうとその子供との関係も切れてしまい、介入の手立てがないという現状があります。本来、子供の心のケアは患者が亡くなった後も定期的に行う必要性があると考えています。 -では将来的なビジョンを教えていただけますか? 市村 先ほども申し上げましたが、子供をもつ患者が入院している間だけでなく、退院したのち、さらには、亡くなった後の子供のケアの必要性を感じています。そのためには、病院における取り組みだけでなく、教育機関、地域、行政と連携した活動をしていきたいと考えています。具体的には、親が亡くなる前~亡くなった後を一貫して、病院、教育機関、地域、行政が連携してフォローアップしていけるシステムを構築できたらと考えています。 -本日はありがとうございました。 【インタビュアーコメント】 がん治療の最先端をいくがん研究会有明病院がこの様な取り組みを行っていることに驚くとおもに、嬉しさを感じました。 2年前の7月、まさに私はがん研究会有明病院に入院をしていました。 確かに30代、40代くらいで入院をされ、その方のお子さんがお見舞いに来ていることを見かけていたので、こうした問題が存在していることを肌で感じていました。 その問題に対して、病院が解決しようと行動されていることは患者の立場としてありがたいことだと思います。 しかしながら、医療従事者にとって日々多忙な業務の中でのこうしたボランティア活動は大変難しいことでもあります。 解決するためには小さな動きでも周りに広がることで、大きな力になります。  まずはがん研究会有明病院でこうした取り組みがあることを知ってもらい、そして一緒になって行動出来る人たちが増えていくことを願うと同時に、このオンコロとしても支援していければと思っております。 次回はGCLS研究会のメンバーの方にこの活動への想いや、取り組み内容についてお聞きいたします。 またGCLS研究会では症例による勉強会の他、不定期でイベントを開催しております。 8月31日には昭和大学昭和大学大学院 保健医療学研究科准教授 副島賢和先生をお呼びして、院内学級についてお話しいただきます。 参加ご希望の方は当日下記の時間までに直接会場にお越しください。 ~詳細~ 【日時】2016年8月31日(水)18時30分~ 【会場】がん研究会有明病院 吉田講堂 【終了時間】20時ごろ 【参加費】無料 【定員】100名 received_1204417486256373
特集

鳥井 大吾

法政大学経済学部 卒業後Webマーケティング会社に入社。営業、SEO施策、Webサイト解析、制作ディレクション業務を行う。社会人2年目で粘液型脂肪肉腫に罹患するも治療を経て復職。2016年4月に自身のがん体験を活かすべく3Hクリニカルトライアルに転職し、2019年10月までオンコロの運営に携わる。

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