概要
一般名 |
カペシタビン |
商品名 |
ゼローダ |
治験薬コード |
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一般名英語表記 |
Capecitabine |
商品名英語表記 |
XELODA |
種類 |
抗悪性腫瘍剤 |
投与経路 |
内服 |
適応がん種 |
手術不能又は再発乳癌、結腸・直腸癌、胃癌 |
特徴
ゼローダは、既に抗がん剤として承認されている5-FU(フルオロウラシル)のプロドラッグであり、5-FUをより腫瘍局所で作用させることで、正常細胞への毒性を軽減させることを目的としています。「ゼローダ(消化管吸収)→5’-DFCR(肝臓のカルボキシルエステラーゼにより変換)→5’-DFUR(肝臓や腫瘍組織に存在するシチジンデアミナーゼにより変換)→5-FU(腫瘍組織に高レベルで存在するチミジンホスホリラーゼにより変換)」という一連の代謝を経て活性体である5-FUになります。
5-FUはさらにdUMPとFUTPに代謝されて抗腫瘍活性を発揮します。前者はチミジル酸合成酵素及び5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸と不活性複合体を形成することで、チミジル酸合成を抑制し、DNA合成を阻害します。また後者は、UTPの代わりにRNAに取り込まれることにより、リボソームRNA及びメッセンジャーRNAの機能を障害すると考えられています。
効能・効果
手術不能又は再発乳癌
結腸・直腸癌
胃癌
用法及び用量
手術不能又は再発乳癌にはA法又はB法を使用し、ラパチニブトシル酸塩水和物と併用する場合にはC法を使用する。結腸・直腸癌における補助化学療法にはB法を使用し、オキサリプラチンと併用する場合にはC法を使用する。治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌には他の抗悪性腫瘍剤との併用でC法又はE法を使用する。直腸癌における補助化学療法で放射線照射と併用する場合にはD法を使用する。胃癌には白金製剤との併用でC法を使用する。
A法:体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、21日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。
‐ 体表面積1.31㎡未満:1回用量900mg
‐ 体表面積1.31㎡以上1.64㎡未満:1回用量1200mg
‐ 体表面積1.64㎡以上:1回用量1500mg
B法:体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
‐ 体表面積1.33㎡未満:1回用量1500mg
‐ 体表面積1.33㎡以上1.57㎡未満:1回用量1800mg
‐ 体表面積1.57㎡以上1.81㎡未満:1回用量2100mg
‐ 体表面積1.81㎡以上:1回用量2400mg
C法:体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
‐ 体表面積1.36㎡未満:1回用量1200mg
‐ 体表面積1.36㎡以上1.66㎡未満:1回用量1500mg
‐ 体表面積1.66㎡以上1.96㎡未満:1回用量1800mg
‐ 体表面積1.96㎡以上:1回用量2100mg
D法:体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、5日間連日経口投与し、その後2日間休薬する。これを繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する
‐ 体表面積1.31㎡未満:1回用量900mg
‐ 体表面積1.31㎡以上1.64㎡未満:1回用量1200mg
‐ 体表面積1.64㎡以上:1回用量1500mg
E法:体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
‐ 体表面積1.31㎡未満:1回用量900mg
‐ 体表面積1.31㎡以上1.69㎡未満:1回用量1200mg
‐ 体表面積1.69㎡以上2.07㎡未満:1回用量1500mg
‐ 体表面積2.07㎡以上:1回用量1800mg
重大な副作用
脱水症状、手足症候群、心障害、肝障害・黄疸、腎障害、骨髄抑制、口内炎、間質性肺炎、重篤な腸炎、重篤な精神神経系障害、血栓塞栓症、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、溶血性貧血
参考リンク
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/4223005