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マイクロサテライト不安定性
[公開日] 2018.02.01[最終更新日] 2018.02.01
マイクロサテライト不安定性とは、細胞が分裂する際に起こる、DNAの配列ミスを修復する機能が低下している状態のことをいいます。細胞は常に分裂を繰り返していますが、分裂して出来た細胞のDNAの配列が間違って作られることがあります。通常はこの間違いを修復する機能が働きます。しかし、この修復能力が低下していると、細胞内でさまざまな遺伝子の異常が積み重なり、細胞ががん化することがあります。
このような細胞の異常を調べる検査(マイクロサテライト不安定性検査)は、遺伝性大腸がんのひとつであるリンチ症候群(HNPCC)の補助診断として行われる検査です。リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス性大腸がん:Hereditary Non-Polyposis Colorectal Cancer:HNPCC)は子宮内膜、卵巣、胃、小腸、肝胆道系、腎盂・尿管がんなどにも発症リスクが高まる疾患です。リンチ症候群(HNPCC)の遺伝子変異を持つ人では、約80%が生涯の間に大腸がんを発症すると報告されています。
また、女性では、20-60%が生涯に子宮内膜がん(子宮体がん)を発症するとされています。マイクロサテライト不安定性検査の実施にあたっては、事前にリンチ症候群(HNPCC)の可能性について説明し、結果が陽性であった場合には、遺伝カウンセリングや遺伝子診断が受けられる機会を提供する必要があります。リンチ症候群(HNPCC)と診断された場合、患者本人だけでなく、血縁者のがんの早期発見・早期治療にも役立ちます。
作成:株式会社インテリム
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