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ファンコーニ症候群
[公開日] 2018.02.01[最終更新日] 2018.02.01
ファンコーニ症候群とは、腎臓の近位尿細管の機能が障害されることにより引き起こされる病気で、本来近位尿細管で再吸収されるはずの物質が、再吸収されずに尿としてそのまま排泄される病態を呈します。ファンコーニ症候群では、本来再吸収されるはずのアミノ酸、ブドウ糖、リン酸などが排出されてしまい、その結果として代謝性アシドーシス、電解質異常、脱水、発達障害、くる病などの症状が引き起こされます。
この病気の要因として遺伝によるものや、薬剤によるもの、重金属やその他の化学物質によるものが考えられます。遺伝性のものは過剰な水分摂取や排尿の増加といった症状が通常が乳児期から始まります。ファンコーニ症候群のある小児は、発育不良、成長の遅れ、慢性腎臓病を示すことがあります。腎不全の状態が進むと小児期に腎移植が必要になる場合があります。
成人では、病気が起きてからしばらく経過するまで、症状が出ないことがあります。成人で最もよくみられる症状としては、筋力低下や骨の痛みなどが挙げられます。対症療法として尿と共に失われる物質の補充が中心となります。ファンコーニ症候群を完治させることはできませんが、適切な治療により症状をコントロールすることは可能です。炭酸水素ナトリウムの溶液を飲むことで酸を中和します。
血液中のカリウム濃度が低い場合は、カリウムのサプリメントの摂取が必要になることもあります。骨の症状が強い場合には、リンとビタミンDのサプリメントによる治療が必要です。
作成:株式会社インテリム
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