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がんと診断された際のこころの持ちようについて


  • [公開日]2019.08.28
  • [最終更新日]2019.10.11

監修:日本医科大学 勝俣範之 先生

家族も患者と同様に苦しい思いをする「第2の患者」抑うつが長引く場合は心の専門家のサポートを

がん患者さんの手記などを読むと告知を受けたときの心の衝撃は大きく、そのときの心理状態を「頭の中が真っ白になった」と表現する人は少なくありません。また、「何も考えられなくなった」という人も多くみられます。このような状態になるのは、医学的には心の自然な反応の一つだと考えられており、時間の経過とともに変化していくことが知られています。

<悪い知らせを受けたときの心の反応の変化>

●第1期:衝撃の時期
告知などの「悪い知らせ」を伝えられたとき、人間の心は最初に強い衝撃を受け、何も考えられない状態になる。
●第2期:抑うつの時期
捉えどころのない不安に襲われ、ひどく落ち込んだり、疎外感や孤独感を強く感じたりする。また、眠れない、食べられない、物事に集中できないといった身体症状を伴い、日常生活に支障を来たすこともよくある。
●第3期:適応の時期
一般的に悪い知らせを伝えられてから2週間を過ぎると、つらい現実を受け入れて立ち直ろうとする時期に入る。

しかし、適応の時期になっても現実を受け入れることができず、うつ病や適応障害になってしまうことがあります。心のつらさだけでなく、眠れなかったり食べられなかったりする状態が続くときは、うつ病のサインかもしれません。症状がひどくならないうちに対処したほうがよいため、まずは主治医に相談し、必要に応じて精神腫瘍医(がん患者とその家族の心のケアを専門とする精神科医・心療内科医)や臨床心理士など心の専門家につないでもらい、専門的なサポートを受けましょう。

このような心の反応は、療養中に何度も経験するといわれます。告知の場面以外では、「治療を中止したとき」、「再発の疑いがあるとき」、「転移が認められたとき」、「積極的な治療ができなくなったとき」などでも起こりやすいことがわかっています。

一方、がんの告知後、家族の心にも患者さんと同じような反応が起こります。しかし、患者さんを支え、自分たちの生活を守るために、いつまでも落ち込んだり悲しんだりしているわけにもいかず、現実的な問題に対処するうちに心の負担が大きなストレスとなって家族の心を苦しめるといわれます。

さらに、つらい治療に耐えかねる患者さんの姿を見て「自分は何もしてあげられない」という無力感にも苛まれやすく、自分だけ楽しむことに罪悪感を抱き、趣味や娯楽を一切断ってしまうなど、自分で自分の心を追い詰めていくのも、家族の行動としてはめずらしいことではありません。

このように家族も患者さんと同様に苦しい思いをすることから、近年では「第2の患者」として家族を位置づけ、心の専門家によるサポートも少しずつ行われるようになってきました。いずれにせよ、家族が自分の生活を犠牲にするような看病を続けると共倒れになる危険性が極めて高いため、ときには看病から離れて自分の時間を持ち、心身ともにリラックスすることが大切です。

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