多発性骨髄腫の新薬ベネトクラクスについて

多発性骨髄腫における治療はベルケイド、サレド、レブラミドの新規薬剤の登場で大きな変革が起きました。

多発性骨髄腫が未だに治癒困難な病気であることに変わりはありませんが、この3剤の新薬の登場により生存率が確実に延長しました。

この3剤発売後もポマリスト、ファリーダック、カイプロリス、エンプリシティ、ニンラーロと、多発性骨髄腫の新薬が続々と登場します。

しかし、これら新薬は先に出た3剤と比べて確かに有効性は高いものの、生存率の延長に寄与するほどの影響力があるか?については議論が分かれることでしょう。この点

ベネトクラクス

はこれら新規薬剤と一線を画します。ベネトクラクスはベルケイドに効果を示さなかった患者に対して、ベルケイド+デキサメタゾン+ベネトクラクスの併用療法でsCRを含む高い奏効率を示したのです。

この治療成績が評価され、ベネトクラクスは昨年に開催されたASH2016(米国血液会議)で優れた演題にのみ与えられる栄誉であるBest Of ASHを受賞しました。

昨年から今年にかけて国内における多発性骨髄腫の新薬は発売ラッシュを迎えますが、ベネトクラクスはBCL-2発現率の高い患者、t(11;14) 転座を有する患者など、効果の期待できる対象患者が明確ですので、他の薬剤以上に重宝されるでしょう。

ベネトクラクスの薬剤概要

製品名

VENCLEXTA

一般名

ベネトクラクス(Venetoclax)

用法用量

未定

効能効果

未定(再発難治性の多発性骨髄腫)

主な副作用

未定(好中球減少症、血小板減少症、下痢、悪心、貧血、上気道感染症、倦怠)

製造承認日

未定

ベネトクラクスの作用機序

ベネトクラクス

@wehi.edu.au

ベネトクラクスはがん細胞のアポトーシスを抑制し、成長を促すB細胞リンパ腫2(BCL-2)タンパク質を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する

ベネトクラクスの最新文献

1)Deep And Sustained Response After Venetoclax Therapy In A Patient With Very Advanced Refractory Myeloma With Translocation T(11;14)

文献の概要

前治療としてベルケイド+レナリドマイド+デキサメタゾン、自家造血幹細胞移植、レナリドマイド単剤、レナリドマイド+デキサメタゾン、ベルケイド+ポマリスト+デキサメタゾン、ダラツズマブによる治療後のt(11;14) 転座と17p欠失を有する多発性骨髄腫患者に対して、ベルケイド+デキサメタゾン+ベネトクラクス併用療法を投与した症例報告

文献の出典

Haematologica

文献の発刊日

2017年1月5日

ベネトクラクスの口コミ

医師のコメント

その他医療関係者のコメント

ベネトクラクスの治験情報

1)A Study Evaluating Venetoclax (ABT-199) in Multiple Myeloma Subjects Who Are Receiving Bortezomib and Dexamethasone as Standard Therapy

治験の概要

前治療として1つから3つの治療歴のある再発難治性の多発性骨髄腫患者に対して、ベルケイド+デキサメタゾン+ベネトクラクス併用療法群、またはベルケイド+デキサメタゾン+プレセボ併用療法群にわけて、その有効性(PFS)を検証する治験

治験の期限

2019年12月

参考資料

1)アッヴィ合同会社プレスリリース
2)造血器腫瘍診療ガイドライン


造血器腫瘍診療ガイドライン


この記事に利益相反はありません。

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