急性骨髄性白血病(AML)の新薬ミドスタウリン(商品名Rydapt)について

急性骨髄性白血病(AML)は白血病の約半数を占めるほど、白血病の中では罹患率の高い疾患である。罹患率は高いものの、新規に急性骨髄性白血病(AML)と診断された患者の治療目標は完全寛解(CR)と他の悪性腫瘍に比べて予後が良好な疾患である。

しかし、予後不良因子を有する急性骨髄性白血病(AML)患者はその限りではない。急性骨髄性白血病(AML)の予後不良因子としては、年齢、全身状態(PS)、初発時白血病数、染色体異常、そして遺伝子変異などが挙げられる。

なかでも染色体異常と遺伝子変異は、NCCNガイドライン急性骨髄性白血病(AML)版の予後分類にも用いられているように強力な予後因子の1つである。

これら予後因子を持つ急性骨髄性白血病(AML)患者はそうでない患者に比べ、現在の標準治療である寛解導入療法(標準用量シタラビン+ダウノルビシン)もしくは地固め療法(高用量シタラビン)に対する治療成績は良好ではない。そのため、治療成績を向上させる新規の治療法の開発が必要とされていたが、急性骨髄性白血病(AML)の新薬である

ミドスタウリン(商品名Rydapt)

によりFLT3遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病(AML)患者の治療成績は向上するであろう。

ミドスタウリン(商品名Rydapt)の薬剤概要

製品名

Rydapt

一般名

ミドスタウリン

用法用量

・急性骨髄性白血病(AML):1日1回50mg ※1カプセル25mg

効能効果

・FLT3遺伝子変異陽性と新規に診断された急性骨髄性白血病(AML)患者に対する寛解導入療法(標準用量シタラビン+ダウノルビシン)もしくは地固め療法(高用量シタラビン)
との併用

製造承認日

・米国:2017年4月28日

ミドスタウリン(商品名Rydapt)の主な副作用

発熱性好中球減少症、悪心、粘膜炎、嘔吐、頭痛、斑状発疹、筋骨格系の痛み、鼻出血、デバイス系関連の感染症、高血糖、上気道感染症

ミドスタウリン(商品名Rydapt)の作用機序

ミドスタウリン(商品名Rydapt)はFLT3の2つの遺伝子変異である遺伝子内縦列重複変異(ITD: Internal Tandem Duplication)とチロシンキナーゼドメイン変異(TKD: Tyrosin Kinase Domein)の両方を阻害することで抗腫瘍効果を示す

ミドスタウリン(商品名Rydapt)の最新情報

1)Midostaurin plus Chemotherapy for Acute Myeloid Leukemia with a FLT3 Mutation

概要

未治療のFLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病(AML)患者に対して標準治療である寛解導入療法(シタラビン+ダウノルビシン)もしくは地固め療法(シタラビン)へのミドスタウリン(商品名Rydapt)を上乗せする群、もしくはプラセボを上乗せする群に分け、主要評価項目である全生存期間(OS)を比較検証した多施設共同二重盲検プラセボ対照ランダム化の第Ⅲ相試験。本試験の結果、プラセボ群に対してミドスタウリン(商品名Rydapt)群は死亡のリスク(全生存期間:OS)を22%(ハザード比0.78、、p=0.009)統計学的有意に減少する ことが証明された。

出典

The New England Journal of Medicine

配信日

2017年8月3日

ミドスタウリン(商品名Rydapt)の口コミ

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その他医療関係者のコメント

ミドスタウリン(商品名Rydapt)の治験情報

1)急性骨髄性白血病(AML)患者を対象としたLGH447+ミドスタウリン(商品名Rydapt)併用療法の安全性を検証する第Ⅰ相試験

治験の概要

本治験は、急性骨髄性白血病(AML)患者に対してLGH447+ミドスタウリン(商品名Rydapt)併用療法を投与し、主要評価項目である用量制限毒性(DLT)を検証するオープンラベル多施設共同の第Ⅰ相試験である

治験の期限

2018年3月30日


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