目次
ポイント
本試験は、未治療の進行性腎細胞がん患者に対して免疫チェックポイント阻害薬PD-L1抗体アベルマブ(バベンチオ)とVEGFRチロシンキナーゼ阻害薬アキシチニブ(インライタ)の併用したときの、安全性や薬物動態等を評価する第1相臨床試験です。 この試験は、JAPIC-CTI上では「募集中」とありますが、Clinical trials.gov上では「not yet recuiting」とあり募集が開始されていない可能性があります。<一般的な説明>
試験概要
本試験は、未治療の進行性腎細胞がん患者を対象として、免疫チェックポイント阻害薬アベルマブ(バベンチオ)とVEGFRチロシンキナーゼ阻害薬アキシチニブ(インライタ)を併用したときの、最適用量と安全性を確認する臨床試験です。どちらの薬剤を投与されるかが分かった状態で使用します。治験薬剤の説明
通常、細菌等の異物が体内に認められたときに免疫細胞が攻撃します。一方、がん細胞は免疫細胞から異物と認められないような機能を有しますが、その時にPD-L1というたんぱく質がかかわっています。アベルマブ(バベンチオ)は、その機能を無効にできると期待されています。結果、がん細胞を異物であると認識することができるようになります。がん細胞を異物と認識できるようになると、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようになります。(アベルマブ) 細胞の表面には成長因子と呼ばれるタンパク質が存在し、細胞の増殖や血管新生に関わっています。このタンパク質の遺伝子に変異があると、細胞はがん化し、無秩序に増殖してしまいます。アキシチニブはVEGFR-1,2,3といった成長因子の受容体を阻害するチロシンキナーゼ阻害薬です。この働きによって、がん細胞は増殖することができなくなり、抗がん作用が得られると期待されています。(アキシチニブ)主な参加条件等
この試験の対象となりうる方
- 20歳以上の方
- 進行腎細胞がんと診断されている方、特に組織学的または細胞学的に淡明細胞がんを有するとされている方
- 腎細胞がんの原発巣(腎臓にできた腫瘍部分)切除を行った方
- 生検のための組織を提供可能な方
- RECISTという画像診断の評価基準を用いて評価可能な方
- ECOGパフォーマンスステータスが0-1の方
この試験の対象とならない方
- 過去に進行腎細胞がんに対する全身薬剤療法を行った方
- 過去に術前・術後補助療法を行った方(投与中または最終投与から12ヵ月以降に腫瘍の進行または再発が認められた場合は可能)
- 過去にIL-2、IFN-α,抗PD 1,抗PD L1,抗PD L2,抗CD137または抗細胞障害性Tリンパ球抗原4またはその他のT細胞共刺激または免疫チェックポイント経路を標的とする抗体または化合物による免疫療法を受けたことのある
- 過去にアキシチニブや他のVEGF経路阻害薬による治療を受けたことのある方
- 臨床的に重要な疾患をお持ちの方
臨床試験公開情報
JAPIC No : JapicCTI-163140 (最終更新日2016/1/22)詳細はコチラ ClinicalTrials.gov Identifier : NCT02493751 (最終更新日2017/2/23)詳細はコチラ治験概要
進行腎細胞癌患者を対象としてavelumabとアキシチニブの併用投与を検討する試験(JAVELIN Renal 100)
対象がん種 | 腎細胞がん |
フェーズ | P1 |
実施期間 | 2015年10月~2018年3月 |
実施国 | 日本、米国、イギリス |
目標症例 | 55 |
状況 | 募集中 |
手法 | オープンラベル |
一般名:アベルマブ(商品名:バベンチオ)、一般名:アキシチニブ(商品名:インライタ) | |
種類 | 免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-L1抗体)、マルチチロシンキナーゼ阻害薬(アキシチニブ) |
投与経路 | 経静脈投与 |