未治療去勢抵抗性前立腺がん 第2世代抗アンドロゲン剤BAY 1841788(ODM-201)の第3相臨床試験


  • [公開日]2016.04.20
  • [最終更新日]2016.08.02

ポイント

本試験は、遠隔転移のない未治療去勢抵抗性前立腺がん患者を対象とした第2世代抗アンドロゲン製剤BAY 1841788(ODM-201)の効果を評価する第3相臨床試験です。

<一般的な説明>

試験概要

未治療去勢抵抗性前立腺がん患者のうち、PSA倍加時間10か月以内且つ遠隔転移のない方を対象として、第2世代抗アンドロゲン製剤BAY 1841788(ODM-201)の効果をプラセボ(偽薬)を対象として有効性安全性を評価する第3相臨床試験です。

治験薬剤の説明

アンドロゲンは男性ホルモン(テストステロン、デビドロエビアンドロステロン等)の総称であり、筋肉や骨筋肉や骨の形成を促したり、精子の産生や男性機能に深く関係する重要なホルモンですが、前立腺がんも同様に男性ホルモンの影響を強く受けています。
アンドロゲンは、95%が精巣(睾丸)で、5%が副腎で作られています。これらの臓器から作られたアンドロゲンがアンドロゲン受容体の結合するとがん化するということがわかっていますが、これをブロックするのがBAY 1841788(ODM-201)です。BAY 1841788(ODM-201)は、精巣だけでなく副腎で作られたアンドロゲンの働きも同時に抑えることが期待できる薬剤です。抗アンドロゲン製剤と呼ばれています。

主な参加条件等

この試験の対象となりうる方

  1. 18歳以上の方
  2. 組織診又は細胞診で前立腺癌と確定診断された方(神経内分泌がん及び小細胞がんを除く)
  3. テストステロンの値が去勢レベルの方
  4. 転移のリスクが高い方⇒ADT(アンドロゲン遮断療法)継続中に測定された値において、PSA倍加時間(PSA値が2倍量になるまでの時間)が10カ月以下である方
  5. ADT(アンドロゲン遮断療法)を継続的に実施中又は1週間以上の間隔で3つのPSA値の上昇をみとめ,かつ直近のPSA値が2ng/mLを超えている去勢抵抗性前立腺がんの方
  6. ECOGパフォーマンスステータスが0-1の方

この試験の対象とならない方

  1. 遠隔転移が確認された方
  2. 前治療または前処置による急性毒性が残存している方
  3. 第二世代の抗アンドロゲン剤(エンザルタミド等)による治療歴がある方
  4. CYP17阻害剤による治療歴がある場合(アビラテロン等)による治療歴がある方
  5. 前立腺がんの化学療法ドセタキセル、カバジタキセル等)による治療歴がある方
  6. 5年以内の悪性腫瘍の既往

臨床試験公開情報

JapicCTI-No. : JapicCTI-153099(最終更新日2015/12/15)詳細はコチラ
ClinicalTrials.gov Identifier : NCT02200614 (最終更新日2016/4/1)詳細はコチラ

治験概要

ハイリスクの非転移性去勢抵抗性前立腺癌を有する男性を対象としたODM-201の有効性及び安全性を検討する多国間、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、第III相臨床試

対象がん種 前立腺がん(去勢抵抗性前立腺がんCRPC)
フェーズ P3
実施期間 2015年1月1日 ~ 2020年6月30日
実施国 日本、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベラルーシ、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、カナダ、中国、チェコ共和国、フィンランド、フランス、ドイツ、キリシャ、ハンガリー、イスラエル、イタリア、ラトビア、オランダ、ペルー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、セルビア、スロバキア、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、台湾、トルコ、ウクライナ、英国、アメリカ合衆国
目標症例 100
状況 募集中
手法 ランダム化、二重盲検
開発コード:BAY 1841788(ODM-201)、商品名:-
種類 ホルモン製剤(第二世代抗アンドロゲン剤)
投与経路 経口投与

<専門的な説明>

試験概要

治験の目的は、非転移性去勢抵抗性前立腺癌を有する患者におけるBAY 1841788(ODM-201)の安全性と有効性を検討することである。(Japic-CTI)

治験薬剤の説明

ODM-201は、前立腺癌細胞の成長を阻害するよう設計された独自の化学物質を含む新規AR阻害薬です。ODM-201はARと高い親和性で結合し、細胞機能を阻害することにより、受容体機能を阻害します。(バイエル薬品プレスリリース)

注意

・試験タイトルに英語記載がある場合、JAPIC等の日本語公開情報に掲載がないことを意味します。
・試験概要の「専門的な説明」は、JAPICやUMINに情報がある場合はそこから、ない場合はClinidcaltrials.govから転記しています。
・薬剤の「専門的な説明」は、開発企業に情報がある場合はそこから、ない場合はNCI(National Cancer Institute)から転記しています。
・専門的な記載を一般の方がわかるよう記載していますが、当社の認識が誤っていることがありますので、必ず実際の公開情報を確かめてください。
・実施医療機関は明記できませんが、実際の公開情報に明記されている場合があります。 ・主な参加条件には記載された基準以外にも多くの基準があります。

臨床試験(治験)とは

・当サイトは積極的に日本で実施されている臨床試験情報(治験)を紹介していますが、臨床試験は効果や安全性を確認することが主たる目的となる場合が多く、確立されている治療法を示しているものではありません。参加を検討する際には、臨床試験のリスクとベネフィットをよく理解してください。宜しければ、「もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこと」をご参照ください。
・その他、「臨床試験記載のルールについて」をご確認ください。

初回作成:可知 健太

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