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膀胱癌、尿管癌、腎盂癌の新薬キイトルーダの治験を受ける前に知っておきたい7つのこと

[公開日] 2017.07.27[最終更新日] 2024.10.02

目次

尿路上皮癌の新薬キイトルーダ(ペムブロリズマブ)について

尿路上皮癌とは腎盂、尿管、膀胱などの臓器の内腔を覆う粘膜に発生する癌のことです。腎盂、尿管は腎臓で作られた尿を膀胱に「運ぶ」臓器であり、膀胱は尿を一時的に「貯める」臓器です。 これら臓器に発生した悪性腫瘍をまとめて尿路上皮癌と呼びます。尿路上皮癌の原因で明らかになってるものは喫煙で、それ以外の原因は明らかになっておりません。 尿路上皮癌は早期に発見できれば予後が良好な癌になりますが、早期発見するための検診技術が確立していないため、発見するタイミングにより命を落とす危険があります。 なぜなら、化学療法による治療が必要な状態で尿路上皮癌が発見された場合、標準治療とされるM-VAC療法、DC療法などの一次治療で効果を示さなかった時の次の一手がないからです 。しかし、 キイトルーダ(ペムブロリズマブ) が進行性尿路上皮癌の二次治療において有効性を示すことが判りましたので、尿路上皮癌の治療成績は向上する可能性があります。

キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の薬剤概要

製品名

キイトルーダ

一般名

ペムブロリズマブ(pembrolizumab)

用法用量

未定(ペムブロリズマブとして1回200mgを3週間間隔で30分間かけて点滴静注する)

効能効果

未定(再発・難治性の尿路上皮癌)

主な副作用

好中球減少、高血糖、貧血、上気道感染、リンパ球減少症、疲労、間質性肺炎、甲状腺機能低下症、経静脈炎、副腎不全、白斑

製造承認日

2014年9月(国内・悪性黒色腫)

薬価

キイトルーダ点滴静注20mg:84488円 キイトルーダ点滴静注100mg:410541円

キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の作用機序

ペムブロリズマブ

ASCO

ペムブロリズマブはヒト PD-1 に対する抗体であり、PD-1 とそのリガンド(PD-L1 及び PD-L2)との結合を阻害することにより、腫瘍特異的な細胞傷害性T細胞を活性化させ、腫瘍増殖を抑制すると考えられている

キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の最新文献

1)Pembrolizumab as Second-Line Therapy for Advanced Urothelial Carcinoma

文献の概要

プラチナ製剤治療後に再発または難治性を示した尿路上皮癌患者さん542人に対して、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)を投与する群、またはパクリタキセル、ドセタキセルなどの主治医判断の化学療法を投与する群にわけて、そのOS(全生存期間)を検証した第三相試験。その結果、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)を投与する群の方が、有意にOS(全生存期間)を延長することが判った。

文献の出典

The New England Journal of Medicine

文献の発刊日

2017年5月16日

キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の口コミ

医師のコメント

その他医療関係者のコメント

キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の治験情報

1)Study of Pembrolizumab With or Without Platinum-based Combination Chemotherapy Versus Chemotherapy Alone in Urothelial Carcinoma (MK-3475-361/KEYNOTE-361)

治験の概要

再発・難治性の尿路上皮癌患者さんに対して、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)+化学療法(シスプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビンなど)を投与する群と、化学療法(シスプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビンなど)を投与する群に分けて、その有効性(PFS(無増悪生存期間)OS(全生存期間))を検証する治験

治験の期限

2019年1月29日

参考資料

1)MSD株式会社プレスリリース 2)膀胱癌診療ガイドライン
ニュース 膀胱がん 尿路上皮癌

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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