【ポイント】この試験は、再発多発性骨髄腫患者に対して、標準療法の1つであるベルケイドとデキサメタゾンにヒストン脱アセチル化酵素阻害薬の一種であるパノビノスタットを上乗せして使用する第2相臨床試験です。
注意:ファリーダックは2015年7月に承認済みです。この試験は公開情報上は募集中になっていますが、募集中ではない可能性があります。

<一般的な説明>

試験概要

この治験は、再発又は再発且つ難治性の多発性骨髄腫患者に対して、ボルテゾミブ(ベルケイド)及びデキサメタゾンにパノビノスタット(ファリーダック)を上乗せしたときの有効性と安全性を評価する第2相試験です。

治験薬剤の説明

多発性骨髄腫などのがんでは、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC;えいちだっく)と呼ばれるタンパク質の活性上昇が見られます。DNAはヒストンと呼ばれるDNAを糸巻のように巻き取るタンパク質によって、クロマチンという構造を形成しながら秩序的に染色体を構成しますが、そこに関わるのがヒストン脱アセチル化酵素です。よって、HDACの活性化は、腫瘍の形成や増殖などを促進します。パノビノスタットは、このHDACのうちpan-HDAC-I(クラス1,2,4)を阻害することで、がん細胞の細胞死を引き起こし、がん抑制効果を発揮します。

主な参加条件等

この試験の対象となりうる方

  1. 18歳以上の方
  2. 多発性骨髄腫と診断された方
  3. 多発性骨髄腫の再治療を要する方
  4. スクリーニング検査時に血清M蛋白又は尿中のM蛋白が一定の基準を満たす方

この試験の対象とならない方

  1. これまでのすべての多発性骨髄腫に対する治療の施行中において進行がみられた方
  2. ボルテゾミブを用いた前治療に対し抵抗性を示した方
  3. ボルテゾミブ又はデキサメタゾンもしくはこれらの薬剤の成分に対し不耐容を示すか,これらの薬剤が禁忌である方
  4. パノビノスタットを含む脱アセチル化酵素阻害薬による前治療歴を有する方
  5. 心機能障害を有する方

臨床試験公開情報

JAPIC No :   JapicCTI-142701 (最終更新日2014/11/11)詳細はコチラ
ClinicalTrials.gov Identifier : NCT02290431 (最終更新日2015/11/30)詳細はコチラ

治験概要

再発又は再発かつ難治性の日本人多発性骨髄腫患者を対象としたパノビノスタットとボルテゾミブ及びデキサメタゾンとの併用療法に関する有効性及び安全性を評価する単群,非盲検,多施設共同第II 相試験

対象がん種 多発性骨髄腫
フェーズ P2
実施期間 2014年12月~2017年12月
実施国 日本
目標症例 33
状況 募集中
手法 非ランダム化、オープンラベル
LBH589(一般名:パノビノスタット乳酸塩、商品名:ファリーダック)
種類 ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤
投与経路 静脈内投与

<専門的な説明>

試験概要

本治験は,再発又は再発かつ難治性の日本人多発性骨髄腫患者を対象として,パノビノスタットをボルテゾミブ及びデキサメタゾンと併用したときの有効性及び安全性を検討する。(JAPIC)

治験薬剤の説明

パノビノスタットは、クラスI、IIおよびIVのヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を強力に阻害する経口剤です。多発性骨髄腫を含む複数のがんでは、HDAC活性の上昇がみられますが、HDACが活性化すると、腫瘍の形成や増殖、血管新生などがんを促進するプロセスが生じます。パノビノスタットは、このHDACを阻害することで、最終的に細胞ストレスを引き起こして細胞死を誘導し、抗腫瘍効果を発揮すると考えられています。
(ノバルティス ファーマHPより:http://www.novartis.co.jp/news/2014/pr20140926_02.html

注意

・試験タイトルに英語記載がある場合、JAPIC等の日本語公開情報に掲載がないことを意味します。
・試験概要の「専門的な説明」は、JAPICやUMINに情報がある場合はそこから、ない場合はClinidcaltrials.govから転記しています。
・薬剤の「専門的な説明」は、開発企業に情報がある場合はそこから、ない場合はNCI(National Cancer Institute)から転記しています。
・専門的な記載を一般の方がわかるよう記載していますが、当社の認識が誤っていることがありますので、必ず実際の公開情報を確かめてください。
・実施医療機関は明記できませんが、実際の公開情報に明記されている場合があります。
・主な参加条件には記載された基準以外にも多くの基準があります。

臨床試験(治験)とは

・当サイトは積極的に日本で実施されている臨床試験情報(治験)を紹介していますが、臨床試験は効果や安全性を確認することが主たる目的となる場合が多く、確立されている治療法を示しているものではありません。参加を検討する際には、臨床試験のリスクとベネフィットをよく理解してください。宜しければ、「もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこと」をご参照ください。
・その他、「臨床試験記載のルールについて」をご確認ください。

初回作成:川村 千恵(最終更新:可知 健太)


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