FLT3-ITD遺伝子変異の急性骨髄性白血病(AML)患者を対象に同種造血幹細胞移植後のメンテナンス療法としてASP2215の有効性を検証する第3相試験


  • [公開日]2017.07.13
  • [最終更新日]2019.05.09

※本情報は一般に公開されている治験臨床試験情報を引用・抜粋しております

治験名

FLT3-ITD遺伝子変異の急性骨髄性白血病(AML)患者に対する同種造血幹細胞移植後の第一寛解期(CR1)にメンテナンス療法としてFLT3阻害剤ASP2215の有効性を検証する第Ⅲ相試験

治験の概要

同種造血幹細胞移植により第一寛解期(CR1)に入ったFLT3-ITD遺伝子変異の急性骨髄性白血病(AML)患者に対するメンテナンス療法として、FLT3阻害剤ASP2215単剤療法またはプラセボ単剤療法を実施し、主要評価項目である無再発生存期間RFS)を比較検証した多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検の第Ⅲ相試験である。

治験薬

・ASP2215

治験の参加条件

適格基準

・被験者は造血幹細胞移植の適応があり、造血幹細胞を提供してくれるドナーが存在する
・被験者はインフォームド・コンセント同意時に法的に成人である
・被験者の採取された骨髄、末梢血液、もしくはDNA検体はASP2215と併行して開発が進められるコンパニオン診断薬の有効性を検証するために利用される可能性があるが、その使用に対して被験者は同意する
・被験者は第一寛解期(CR1)が確認された急性骨髄性白血病(AML)である。第一寛解期(CR1)とは、骨髄中に存在する白血病細胞が全体の5%以下の状態であり、急性骨髄性白血病(AML)の形態学的特徴(アウエル杆状体など)が見られない、中枢神経系CNS)障害、顆粒球性肉腫などの髄外病変が見られない状態であると定義する。
・被験者は第一寛解期(CR1)を達成するために寛解導入療法を2サイクル以上受けていない。寛解導入療法は同じ化学療法レジメン、また別の化学療法レジメンになり得る。化学療法レジメンは従来の薬剤、治験の薬剤、または両剤ともに含む可能性がある。
  -被験者は、血小板の回復は不十分だがそれ以外は完全寛解(CRp)、血液の回復は不十分だが骨髄では完全寛解(CRi)の状態でも完全寛解(CR)と見なされる。
  -血小板の回復は不十分だがそれ以外は完全寛解(CRp)の定義は血小板数 100 x 109/L 未満と定義される
  -血液の回復は不十分だが骨髄では完全寛解(CRi)の定義は好中球数 1 x 109/L 未満と定義される
  -赤血球と血小板の輸血は必要ない
  -治験登録から第一寛解期(CR1)までの期間は最大で12ヶ月間認められる
・被験者は骨髓、または末梢血液においてFLT3-ITD遺伝子変異が医療機関の診断時に認められている
・被験者は臨床検査で以下のような基準を満たしていなければならない
  -血清クレアチニン値が正常範囲である。または正常範囲外であるならば、Cockcroft-Gault 式によって得られた推算された糸球体濾過量(GFR)が 40mL/min/1.73m2 より大きい。なお、被験者の体重が理想体重より125%以上の場合は修正する。
  -被験者がジルベール症候群でない限り、総ビリルビン値が2.5以下である
  -アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)値が3.0未満である
  -アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)値が3.0未満である
  -血清カリウム値、血清マグネシウム値が正常下限値より大きい
・被験者は左心室駆出率(LVEF)が少なくとも40%以上である
・被験者は一酸化炭素肺拡散能(DLCO)、FVC(努力肺活量)、FEV1(1秒量)が50%より大きい
・女性被験者は以下の基準を満たしている
-妊娠可能性がない場合は、治験スクリーニング時に閉経(少なくとも1年間月経がない状態であると定義される)である。または、避妊手術(少なくとも治験スクリーニング時1ヶ月前)をしている
-妊娠可能性がある場合は、治験薬最終投与日より60日間妊娠しないことに対して同意している
-治験スクリーニング時に妊娠検査で陰性であることが確認されている
-もしも被験者が異性愛中であるならば、治験スクリーニング時、治験中、治験薬最終投与日より60日間、コンドームなどのバリア法に加えて効果的な避妊用具を継続的に使用することに同意している
・女性被験者は治験スクリーニング時、治験中、治験薬最終投与日より60日間、母乳もしくは卵子の提供をしないことに同意しなければならない
・男性被験者とそのパートナーで妊娠可能がある女性は治験スクリーニング時、参加中、治験薬最終投与日から120日後まではコンドームなどを使用するバリア法に加えて効果的な避妊具を継続して使用することに同意している
・男性被験者は治験スクリーニング時、参加中、治験薬最終投与日から120日間、精子を提供してはいけない
・被験者は治験薬の経口投与が可能である
・被験者は本治験中は他の治験に参加しないことに同意している

ランダム化の適格基準

・被験者は造血幹細胞導入より30日以上90日未満である
・被験者は7日以内に血小板輸血をしていない場合、末梢血好中球絶対数(ANC)が500 /μL以上、血小板数が20000 /μL以上である。
・被験者は4週間以内に治験薬を使用していない
・被験者は第一寛解期(CR1)が現在も確認されている急性骨髄性白血病(AML)である。ランダム化するために、第一寛解期(CR1)とは、骨髄中に存在する白血病細胞が全体の5%未満の状態であり、急性骨髄性白血病(AML)の形態学的特徴(アウエル杆状体など)が見られない、中枢神経系(CNS)障害、顆粒球性肉腫などの髄外病変が見られない状態であると定義する。
・被験者は臨床検査で以下のような基準を満たしていなければならない
  -血清クレアチニン値が正常範囲である。または正常範囲外であるならば、Cockcroft-Gault 式によって得られた推算された糸球体濾過量(GFR)が 40mL/min/1.73m2 より大きい。なお、被験者の体重が理想体重より125%以上の場合は修正する。
  -被験者がジルベール症候群でない限り、総ビリルビン値が2.5以下である
  -アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)値が3.0未満である
  -アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)値が3.0未満である
  -血清カリウム値、血清マグネシウム値が正常下限値より大きい
・被験者は夜間のCPAP(持続陽圧呼吸療法)療法を除き、酸素吸入の必要がない
・被験者がグレードII〜IV度の急性移植片対宿主病(GVHD)であるならば、以下の基準に応じてランダム化する必要がある
  -1週間毎日投与するプレドニゾロンの用量0.5mg/kgより多い場合
  -コルチコステロイドまたは新規薬剤の投与2週間しても、免疫反応が低下しない場合
・被験者は急性移植片対宿主病(GVHD)の治療として臨床試験になる治療法を4週間実施していない。もしも臨床試験の定義が曖昧であるならば、その定義についての議論を必要とする
・被験者は治験薬の経口投与が可能である

除外基準

・被験者は以前に同種造血幹細胞移植を実施している
・被験者はKarnofsky Performance StatusKPS)が70%未満である
・被験者はシトクロムP450 3A4 (CYP3A4)の発現を強く誘導する治療薬を必要としている
・被験者はセロトニン5HT1受容体、セロトニン5HT2B受容体、またはシグマ受容体を標的とするする治療薬を必要としている。ただし、被験者の治療に絶対的に不可欠と考えられる治療薬を除く
・被験者はFridericia補正法によるQT間隔(QTcF)の延長(> 450 ms)が確認されている
・被験者は治験スクリーニング時にQT延長症候群を有する
・被験者は血清学検査または拡散増幅試験によりヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染していることが判っている
・被験者は拡散増幅試験または表面抗原アッセイキットによりB型肝炎に感染していることが判っている。なお、過去に感染(HBcAb陽性/HBsAb陽性/ HBsAg陰性)し、現在は寛解している被験者は治験参加資格を有する
・被験者は拡散増幅試験によりC型肝炎に感染していることが判っている。なお、過去に感染し、現在は寛解している被験者は治験参加資格を有する
・被験者が制御不能な感染症を有する場合。もしも細菌性感染、ウィルス性感染が見られる場合、被験者は治療を受け、治験参加登録72時間前に感染症が進行していない状況を確認しなければいけない
  -感染症の進行とは、血行動態の不安定性により生じる敗血症、または新たな症候、もしくは感染に起因する身体初見、X線初見の悪化であると定義される
  -他の症状、兆候が見られない持続的な発熱は感染症の進行とは見なされない
・被験者は治験参加登録日前の6ヶ月以内に心筋梗塞、もしくはNYHA(New York Heart Association)分類によりIII/Ⅳ度と定義される心障害、制御不能な狭心症、制御不能な心室性不整脈、虚血性心疾患
・被験者は治験参加に障害となり得る医学的もしくは精神学的な病気を有している
・女性被験者の場合は、授乳期間中もしくは妊娠中である
・被験者は悪性腫瘍の治療歴を有する。ただし、非浸潤性小葉がん、完全に切除された皮膚の基底細胞がん、扁平上皮がん、もしくは治療済みの子宮頸部上皮内腫瘍は除外する
  -治療より5年を超える期間の悪性腫瘍の治療歴のある被験者は治験参加可能だろうが、治療より5年未満の期間の悪性腫瘍の治療歴のある被験者は治験参加が難しいであろう

ランダム化の除外基準

・被験者はシトクロムP450 3A4 (CYP3A4)の発現を強く誘導する治療薬を必要としている
・被験者はセロトニン5HT1受容体、セロトニン5HT2B受容体、またはシグマ受容体を標的とするする治療薬を必要としている。ただし、被験者の治療に絶対的に不可欠と主治医が判断し、その治療薬を代替する治療薬がない場合は除く
・被験者はQT間隔(QTcF)の延長(> 450 ms)が確認されている
・被験者が制御不能な感染症を有する場合。もしも細菌性感染、ウィルス性感染が見られる場合、被験者は治療を受け、治験参加登録72時間前に感染症が進行していない状況を確認しなければいけない。もしも真菌性感染症が見られる場合、被験者は治療を受け、ランダム化1週間前に感染症が進行していない状況を確認しなければいけない。
  -感染症の進行とは、血行動態の不安定性により生じる敗血症、または新たな症候、もしくは感染に起因する身体初見、X線初見の悪化であると定義される
  -他の症状、兆候が見られない持続的な発熱は感染症の進行とは見なされない

治験の実施期間

2017年6月7日から2024年7月

試験公開情報(詳細情報)

ClinicalTrials.gov:NCT02997202(最終更新日:2019年4月26日)

注意

・多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIやUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。これらにない場合は、米国のClinidcaltrials.govからを参照して和訳して掲載しています。
・実施医療機関は明記できませんが、実際の公開情報に明記されている場合があります。
・主な参加条件には記載された基準以外にも多くの基準があります。
・ご不明な点はオンコロにお問い合わせください。真摯に対応します。
・オンコロが治験広告事務局を担っている情報は臨床試験(治験)広告を参照ください。治験参加までサポートします。

臨床試験(治験)とは

・当サイトは積極的に日本で実施されている臨床試験情報(治験)を紹介していますが、臨床試験は効果や安全性を確認することが主たる目的となる場合が多く、確立されている治療法を示しているものではありません。参加を検討する際には、臨床試験のリスクとベネフィットをよく理解してください。宜しければ、「もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこと」をご参照ください。
・その他、「臨床試験記載のルールについて」をご確認ください。

初回作成:山田 創

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