多発性骨髄腫とニンラーロ(イキサゾミブ)について

経口薬のみで治療できる時代が多発性骨髄腫にも遂にやってきました。なぜなら、経口プロテアソーム阻害薬であるイキサゾミブ(ニンラーロ)が発売されるからです。

イキサゾミブ(ニンラーロ)とはプロテアソーム阻害薬初の経口薬です。これまで、プロテアソーム阻害薬にはボルテゾミブ(ベルケイド)、カルフィルゾミブ(カイプロリス)の2種類の薬がありました。

多発性骨髄腫のキードラッグとしてボルテゾミブ(ベルケイド)もカルフィルゾミブ(カイプロリス)も臨床では重宝されておりましたが、どちらも注射薬でしたので治療を受けるためには何度も何度も病院に通う必要がありました。

病院に通う面倒さを上回る有効性がボルテゾミブ(ベルケイド)とカルフィルゾミブ(カイプロリス)には期待されているので現在も重宝されていますが、イキサゾミブ(ニンラーロ)の発売によりこの状況が劇的に変わります。なぜなら、イキサゾミブの発売により

強力な経口のみの治療レジメン

が多発性骨髄腫の治療にも使えるようになるからです。イキサゾミブ(ニンラーロ)のその有効性と安全性を証明した大規模試験の結果はこちらです。

Oral Ixazomib, Lenalidomide, and Dexamethasone for Multiple Myeloma

レナリドミド(レブラミド)とデキサメタゾンを併用したRdレジメンに比べて、イキサゾミブ(ニンラーロ)を上乗せしたIRdレジメンの有効性が優位に高いことが証明されたのです。

Rdレジメンは経口薬のみのレジメンですが、多発性骨髄腫のキードラッグであるプロテアソーム阻害薬が使われていないために強力な治療とはいえません。

しかし、レナリドミド(レブラミド)に初期治療での効能効果が国内でも追加されたために、有効性よりも楽さを優先する医師と患者さんの間で評価されていたのが現状です。この現状が遂にイキサゾミブ(ニンラーロ)により打破されるのです。Rdレジメンにイキサゾミブ(ニンラーロ)を加えたIRdはオール経口レジメンでありながら既存の治療法と比べて有効性が高いですから。

ニンラーロ(イキサゾミブ)の薬剤概要(海外)

製品名

ニンラーロ

一般名

イキサゾミブ

用法用量

週1回の経口投与

効果効能

再発又は難治性の多発性骨髄腫

主な副作用

下痢、便秘、血小板減少症、末梢神経障害、悪心、末梢性浮腫、嘔吐、背部痛

製造承認日

2017年3月30日(日本)

薬価

・ニンラーロカプセル2.3mg:96519円
・ニンラーロカプセル3mg:123355円
・ニンラーロカプセル4mg:160886円

ニンラーロ(イキサゾミブ)の作用機序

蛋白分解酵素を持つサブユニットの中でもキモトリプシン様活性を持つβ5サブユニット、カスパーゼ様活性のβ1サブユニットに可逆的に結合することでキモトリプシン様活性を強力に阻害して、カスパーゼ様活性を阻害する

ニンラーロ(イキサゾミブ)の最新文献

・2016年9月20日
Randomized phase 2 trial of ixazomib and dexamethasone in relapsed multiple myeloma not refractory to bortezomib | Blood Journal
・2016年5月16日
A pharmacokinetics and safety phase 1/1b study of oral ixazomib in patients with multiple myeloma and severe renal impairment or end‐stage renal disease requiring haemodialysis
・2016年4月28日
Oral Ixazomib, Lenalidomide, and Dexamethasone for Multiple Myeloma — NEJM
・2015年8月14日
Blood Cancer Journal – Phase 2 trial of ixazomib in patients with relapsed multiple myeloma not refractory to bortezomib

ニンラーロ(イキサゾミブ)の口コミ

医師のコメント

その他医療関係者のコメント

ニンラーロ(イキサゾミブ)の治験情報

2016年12月11日現在、国内でも実施しているイキサゾミブ(ニンラーロ)のフェーズ3治験は下記の通りになります。

1)A Study of Oral Ixazomib Maintenance Therapy in Patients With Newly Diagnosed Multiple Myeloma Not Treated With Stem Cell Transplantation

治験の概要

初期治療により十分な奏効(CR、VGPR、PR)が得られた多発性骨髄腫患者で移植を実施せずに、イキサゾミブ(ニンラーロ)群もしくはプラセボ群で維持療法を実施した時の有効性を検証する治験

治験の期限

2018年12月


この記事に利益相反はありません。

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