急性リンパ性白血病(ALL)の新薬イノツズマブ オゾガマイシン(ベスポンサ)について
急性リンパ性白血病(ALL)は造血幹細胞からリンパ系に分かれた幹細胞が癌化する病気です。発症は小児に多く、成人で発症するのは10万人に1人程度と言われるほど稀な病気です。 成人で急性リンパ性白血病(ALL)を発症した場合にその治療方法はフィラデルフィア染色体(Ph)陽性なのか陰性なのかにより治療方法が分かれます。 急性リンパ性白血病(ALL)の患者さんのうち4人に1人がフィラデルフィア染色体(Ph)陽性と言われており、陽性である場合には治療経過があまり良くなく、治癒しにくい病気でしたが分子標的治療薬であるイマチニブの登場により治療成績が劇的に向上しました。 では、フィラデルフィア染色体(Ph)陰性の急性リンパ性白血病(ALL)の治療はどうかというと、現在の標準療法は強力かつ長期的な化学療法です。 その効果は新規急性リンパ性白血病(ALL)の患者の20%から40%しか治癒できず、また治癒できても再発した場合の成人急性リンパ性白血病(ALL)患者の5年全生存率は10%以下です。 そのため、標準療法である化学療法の成績を上回る新たな治療方法の開発が急務でしたが、 イノツズマブ オゾガマイシン(商品名ベスポンサ) の登場により治療成績が向上する可能性が示唆されました。イノツズマブ オゾガマイシンは再発または難治性のCD22陽性急性リンパ性白血病(ALL)の成人患者に投与したところ、標準化学療法よりも良好な治療成績を示しました。イノツズマブ オゾガマイシン(ベスポンサ)の薬剤概要
製品名
ベスポンサ一般名
イノツズマブ オゾガマイシン(Inotuzumab ozogamicin)用法用量
未定効能効果
未定(再発または難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病)主な副作用
未定(発熱性好中球減少症を含む血球減少症、悪心、頭痛、発熱製造承認日
未定イノツズマブ オゾガマイシン(ベスポンサ)の作用機序
@clinicaloptions.com
イノツズマブ オゾガマイシンはB細胞性悪性腫瘍のCD22抗原と結合することで細胞中に取り込まれ、細胞傷害性を有するカリケアマイシンを放出することで細胞を破壊しますイノツズマブ オゾガマイシン(ベスポンサ)の最新文献
1)Inotuzumab Ozogamicin versus Standard Therapy for Acute Lymphoblastic Leukemia文献の概要
再発または難治性のCD22陽性急性リンパ性白血病(ALL)の成人患者に対して、イノツズマブ オゾガマイシンの安全性と有効性を標準化学療法群と比較検討した試験。その結果、血液学的完全寛解率、PFS(無増悪生存期間)、微少残存病変(MRD)消失などの評価項目において、イノツズマブ オゾガマイシン群が標準化学療法群を上回ることが明らかになりました。文献の出典
The New England Journal of Medicine文献の発刊日
2016年8月25日イノツズマブ オゾガマイシン(ベスポンサ)の口コミ
医師のコメント
今週号のNEJMに、イノツズマブ オゾガマイシンの第3相試験に関する我々のレターが掲載されました。イノツズマブを移植前どのタイミングで使うべきか?という臨床医の視点です。現場での使用に向けて、さらに議論が深まればと思います https://t.co/ZVwQnOOC3v
— 森 甚一 (@jinichimori) 2016年11月24日
Inotuzumab-ozogamicin for relapsed adult B-ALL #leusm shows impressive improvementsin OS. #ASH16 More discussion -> https://t.co/UC4AW1OZH2 pic.twitter.com/ZVBgijaA2O
— David Woessner, PhD (@cancrx) 2016年12月8日
その他医療関係者のコメント
Original Article: Inotuzumab Ozogamicin vs Standard Therapy for Acute Lymphoblastic Leukemia https://t.co/rt0O0R0FwH pic.twitter.com/vYEGEc7hHr
— NEJM (@NEJM) 2016年8月24日
Inotuzumab Ozogamicin Improves Outcomes vs Standard Therapy in Relapsed/Refractory ALL https://t.co/bV5oOkKyZJ #leusm
— The ASCO Post (@ASCOPost) 2016年8月6日