肝細胞がん 免疫チェックポイント阻害薬複合療法であるデュルバルマブ+トレメリムマブの第2相臨床試験


  • [公開日]2016.10.04
  • [最終更新日]2016.10.05

本試験は、進行肝細胞がん患者を対象とした免疫チェックポイント阻害薬PD-L1抗体デュルバルマブとCTLA-4抗体トレメリムマブ有効性安全性を確認する臨床試験です。

<一般的な説明>

試験概要

切除不能な肝細胞がんを有する被験者において、免疫チェックポイント阻害薬であるPD-L1抗体デュルバルマブ (Durvalumab)と同CTLA-4抗体トレメリムマブ(tremelimumab)との併用療法、デュルバルマブ単剤療法またはトレメリムマブ単剤療法としての安全性、忍容性、抗腫瘍活性、薬物動態、薬力学及び免疫原性を検討する第2相臨床試験となります。
※「トレメリムマブ+デュルバルマブ」、「デュルバルマブ」、「トレメリムマブ」のうちどれかを使用。

治験薬剤の説明

通常、細菌等の異物が体内に認められたときに免疫細胞が攻撃します。一方、がん細胞は免疫細胞から異物と認められないような機能を有しますが、その時にPD-L1というタンパク質がかかわっています。デュルバルマブやトレメリムマブはその機能を無効にできると期待されており、その結果、がん細胞を異物であると認識することができるようになります。がん細胞を異物と認識できるようになると、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようになります。

PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬CTLA-4阻害薬

主な参加条件等

この試験の対象となりうる方

  1. 18歳以上の方
  2. B型肝炎ウィルス又はC型肝炎ウィルス同時感染の有無にかかわらず、確認された切除不能な肝細胞がんの診断を受けた方
  3. 免疫療法歴がなく、ソラフェニブによる治療で増悪、不耐容を示した、又はそれを拒否した患者。ソラフェニブ以外の全身療法による治療を受けた患者は適格でない
  4. ECOG PSパフォーマンスステータス) 0又は1の方

この試験の対象とならない方

  1. 免疫療法歴がある方
  2. 薬剤コントロール不可能な腹水
  3. 固定姿勢保持困難を特徴とする肝性脳症がある方
  4. 活動期の消化管静脈瘤出血がある、又は過去に確認されている方
  5. 重大な門脈血栓症がある方
  6. 癌治療を目的とした化学療法、免疫療法又は生物学的療法若しくはホルモン療法を並行して受けている方
  7. 一部の例外を除き活動期の自己免疫疾患又は炎症性疾患がある、又は過去に確認されている方
  8. 一部の例外を除き免疫抑制剤を現在投与されている、又は過去14日以内に投与された方

臨床試験公開情報

ClinicalTrials.gov Identifier :NCT02519348(最終更新日2016/9/8)詳細はコチラ
JapicCTI-No. :  JapicCTI-163319 (最終更新日2016/7/15) 詳細はコチラのリンク先の検索システムにて、JapicCTI-No.に「JapicCTI-163319」と入力。

治験概要

切除不能な肝細胞癌を有する被験者を対象に単剤療法及び併用療法として投与したときのMEDI4736及びtremelimumabの安全性、忍容性及び臨床効果を検討する試験

対象がん種 肝細胞がん
フェーズ P3
実施期間 2015年10月 ~ 2018年1月
実施国 米国、香港、韓国、シンガポール、スペイン、台湾、日本
目標症例 144
状況 募集中
手法 無作為化、安全性/有効性検討、並行群比較、非盲検
被験薬名 MEDI4736 (一般名:デュルバルマブ、 商品名:-----)、CP-675,206(一般名:トレメリムマブ、 商品名:-----)
種類 免疫チェックポイント阻害薬複合療法(抗PD-L1抗体と抗CTLA-4抗体)
投与経路 静脈注射

<専門的な説明>

試験概要

本試験は、切除不能な肝細胞癌を有する被験者において、tremelimumabとMEDI4736 (Durvalumab)との併用療法、MEDI4736単剤療法またはtremelimumab単剤療法としての安全性、忍容性、抗腫瘍活性、薬物動態、薬力学及び免疫原性を検討するようデザインされた、多施設共同、非盲検、層別化、無作為化試験である。(JAPIC-CTI)

治験薬剤の説明

Durvalumabは、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)に対する、開発中ヒトモノクローナル抗体です。PD-L1を介するシグナルにより、腫瘍は免疫システムから探知されるのを回避していますが、durvalumabはこれらのシグナルを阻害することで、腫瘍の免疫からの逃避機構が働かないよう作用します。Durvalumabは、他の免疫治療薬と並行して、患者さんの免疫システムを活性化し、がんを攻撃するように開発されています。Durvalumabは広範な臨床試験プログラムにおいて、単剤療法もしくはtremelimumabとの併用で、NSCLC、頭頸部がん、胃がん、膵臓がん、膀胱がんおよび血液がんにおいて検討されています。
アストラゼネカプレスリリース(20150921)参照
Tremelimumabは、ヒトの自己免疫システムを活性化するよう設計され、開発されています。本剤は完全ヒトモノクローナル抗体で、活性化Tリンパ球の表面に発現するタンパクCTLA-4に結合することで、がん細胞を攻撃するよう免疫システムを活性化します。
アストラゼネカプレスリリース(20150417)参照

注意

・試験タイトルに英語記載がある場合、JAPIC等の日本語公開情報に掲載がないことを意味します。
・試験概要の「専門的な説明」は、JAPICやUMINに情報がある場合はそこから、ない場合はClinidcaltrials.govから転記しています。
・薬剤の「専門的な説明」は、開発企業に情報がある場合はそこから、ない場合はNCI(National Cancer Institute)から転記しています。
・専門的な記載を一般の方がわかるよう記載していますが、当社の認識が誤っていることがありますので、必ず実際の公開情報を確かめてください。
・実施医療機関は明記できませんが、実際の公開情報に明記されている場合があります。
・主な参加条件には記載された基準以外にも多くの基準があります。

臨床試験(治験)とは

・当サイトは積極的に日本で実施されている臨床試験情報(治験)を紹介していますが、臨床試験は効果や安全性を確認することが主たる目的となる場合が多く、確立されている治療法を示しているものではありません。参加を検討する際には、臨床試験のリスクとベネフィットをよく理解してください。宜しければ、「もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこと」をご参照ください。
・その他、「臨床試験記載のルールについて」をご確認ください。

初回作成:可知 健太

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