HER2陰性/HR陽性/閉経後 アロマターゼ阻害薬使用歴のある乳がん患者 PI3K阻害薬Alpelisibの第3相臨床試験


  • [公開日]2016.08.31
  • [最終更新日]2016.08.31

この試験は、アロマターゼ阻害薬の投与歴があるHER2陰性且つホルモン受容体陽性の閉経後(又は男性)乳がん患者を対象にPI3K阻害薬であるAlpelisibを使用したときの有効性安全性を検討する臨床試験です。

<一般的な説明>

試験概要

(術前)術後補助療法又は進行性乳がんに対してのアロマターゼ阻害薬の投与歴を有するHER2陰性ホルモン受容体陽性の閉経後女性(又は男性)乳がん患者に対して、Alpelisib とフルベストラントの併用投与が、プラセボとフルベストラントの併用投与と比較して無増悪生存期間を延長させるかどうか検討する第3相臨床試験です。

治験薬剤の説明

Alpelisibはホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)阻害薬です。腫瘍細胞上に存在する多くの受容体を介する増殖シグナルはPI3Kをとおり、活性化します。これにより、腫瘍細胞の生存、増殖、ストレスへの耐性及び転移をもたらし、加えて、放射線療法、化学療法に対する耐性獲得の主な機序ともなっているといわれています。PI3K阻害薬は、PI3Kを阻害することにより、これらの作用を阻害することが期待されています。

主な参加条件等

この試験の対象となりうる方

  1. 18歳以上の方
  2. 男性患者又は閉経後の女性
  3. PIK3CA の状態(変異陽性又は変異陰性)が確認することができる方
  4. 進行性(根治治療不能の局所再発性,又は転移性)乳癌を有する方
  5. アロマターゼ阻害薬(例:レトロゾール, アナストロゾールエキセメスタン)の投与中又は投与後に疾患が再発又は進行した方
  6. ホルモン受容体陽性かつHER2 陰性(一般的な乳癌の診断方法による)の方
  7. RECISTという基準にて腫瘍の大きさ測定可能な方
  8. 十分な骨髄機能を有する方

この試験の対象とならない方

  1. 化学療法(術前/術後補助化学療法を除く),フルベストラント,PI3K 阻害剤,mTOR 阻害剤,又はAKT 阻害剤による前治療歴を有する方
  2. 炎症性乳癌が認められる方
  3. Child-Pugh 分類クラスB 又はC の患者(Child-Pugh分類肝機能の指標)
  4. ECOG PSパフォーマンスステータス)が2以上の方
  5. 1 型又はコントロール不良な2 型糖尿病の確定診断を有する方

臨床試験公開情報

ClinicalTrials.gov Identifier : NCT02437318 (最終更新日2016/7/15)詳細はコチラ
JapicCTI-No. : JapicCTI-153052(最終更新日2015/10/28) 詳細はコチラ

治験概要

アロマターゼ阻害剤の投与中又は投与後に進行を来したHR 陽性,HER2 陰性進行性乳癌の男性及び閉経後女性を対象にalpelisib とフルベストラントの併用投与を評価するランダム化,二重盲検,プラセボ対照,第III 相試験

対象がん種 乳がん(HER2陰性、ホルモン受容体陽性)
フェーズ P3
実施期間 2015年8月 ~ 2019年7月
実施国 日本、米国、アルゼンチン、オーストリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チリ、チェコ、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港,ハンガリー、イスラエル、イタリア、韓国、レバノン、オランダ、ペルー、ルーマニア、ロシア、スペイン、スウェーデン、台湾、タイ、アラブ、英国
目標症例 820
状況 募集中
手法 ランダム化、二重盲検、プラセボ対照国際共同
被験薬名 BYL719 (一般名:alpelisib、 商品名:—–)
種類 PI3K阻害剤
投与経路 経口

<専門的な説明>

試験概要

Alpelisib とフルベストラントの併用投与が,プラセボとフルベストラントの併用投与と比較して無増悪生存期間を延長させるかどうかを,(術前)術後補助療法として又は進行性乳癌に対してAI の投与歴を有するHR 陽性,HER2 陰性進行性乳癌の男性及び閉経後女性で検討する。(JAPIC-CTI)

治験薬剤の説明

An orally bioavailable phosphatidylinositol 3-kinase (PI3K) inhibitor with potential antineoplastic activity. Alpelisib specifically inhibits PIK3 in the PI3K/AKT kinase (or protein kinase B) signaling pathway, thereby inhibiting the activation of the PI3K signaling pathway. This may result in inhibition of tumor cell growth and survival in susceptible tumor cell populations. Activation of the PI3K signaling pathway is frequently associated with tumorigenesis. Dysregulated PI3K signaling may contribute to tumor resistance to a variety of antineoplastic agents.(NCI-dictionary)

注意

・試験タイトルに英語記載がある場合、JAPIC等の日本語公開情報に掲載がないことを意味します。
・試験概要の「専門的な説明」は、JAPICやUMINに情報がある場合はそこから、ない場合はClinidcaltrials.govから転記しています。
・薬剤の「専門的な説明」は、開発企業に情報がある場合はそこから、ない場合はNCI(National Cancer Institute)から転記しています。
・専門的な記載を一般の方がわかるよう記載していますが、当社の認識が誤っていることがありますので、必ず実際の公開情報を確かめてください。
・実施医療機関は明記できませんが、実際の公開情報に明記されている場合があります。
・主な参加条件には記載された基準以外にも多くの基準があります。

初回作成:可知 健太

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