メルケル細胞癌とは

メルケル細胞癌とは皮膚癌の中で最も死亡確率の高い癌の1つです。癌の進行スピードも速く、早期の段階からリンパ節、肺、脳、骨など多臓器に転移もします。

メルケル細胞とは皮膚の最も外側の層に存在する細胞で、この細胞が際限なく増殖することで発生するのがメルケル細胞癌です。

メルケル細胞が際限なく増殖する原因と考えられているのは日光で、発症しやすい部位も順に頭部、頸部、腕、脚、体幹と、大量の日光に晒されやすい部位にできやすいのが特徴です。

メルケル細胞癌の発症率は100万人あたり約3.2人、アメリカの年間罹患者数は2500人と非常に稀な疾患で、50歳未満で発症することはまずありません。また、黒人に比べて白人の方がかなり発症しやすい病気です。

メルケル細胞癌の新薬バベンチオ(アベルマブ)について

現在のところメルケル細胞癌の治療方法は確立していませんので、その予後は非常に悪いです。

原因の1つとして考えられているのがメルケル細胞ポリオーマウイルスで、このウイルスががん抑制遺伝子であるp53、pRbを抑制することでメルケル細胞癌が発症すると考えられていますが定かではありませんし、その治療方法も確立していません。

ですので、メルケル細胞癌の治療方法は切除できるなら腫瘍なら切除するのが鉄則です。そして、術後に放射線を当てる。それが駄目なら化学療法をする。

以上のような治療戦略でメルケル細胞癌の治療はすすめられていますが、残念なことに他の疾患のように標準治療が確立していません。

メルケル細胞ポリオーマウイルスの研究が最近になり漸く注目され始めたのも治療が確立しない理由の1つですが、なによりメルケル細胞癌は患者数の少ない稀な疾患ですので標準治療が確立しないのは当然です。

特に、転移など癌が進行したメルケル細胞癌いたっては、承認された新薬がありませんでしたから・・・

バベンチオ(アベルマブ)

が2016年11月29日アメリカにて製造承認申請が出されるまでは。バベンチオ(アベルマブ)はメルケル細胞癌の画期的な新薬と噂されていますが、その理由は転移性メルケル細胞癌を適応症とする初の治療薬となるからです。

転移性メルケル細胞癌の二次治療において、既存の化学療法の成績成績は奏効率23%、またその効果が6カ月持続する確率は6.7%と報告されていますが、バベンチオ(アベルマブ)のその奏効率は31.8%、効果の持続割合は29%と既存の治療成績を塗り替えたのです。

バベンチオ(アベルマブ)の薬剤概要

製品名

バベンチオ

一般名

アベルマブ(avelumab)

用法用量

アベルマブとして 10mg/kgを2週間に1回投与する

効能効果

転移性メルケル細胞癌

主な副作用

疲労、注射部位反応、リンパ球減少、血中クレアチンホスホキナーゼ上昇、アミノトランスフェラーゼ上昇、血中コレステロール上昇

製造承認日

・2016年11月29日(アメリカ・製造承認申請)

バベンチオ(アベルマブ)の作用機序

アベルマブはPD-L1の作用を抑制することで、T細胞と適応免疫系を活性化します。また、Fc領域を改変せず維持することで自然免疫系に働きかけ、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘発するとも考えられています。

バベンチオ(アベルマブ)の最新文献

・2016年9月
1)Avelumab in patients with chemotherapy-refractory metastatic Merkel cell carcinoma: a multicentre, single-group, open-label, phase 2 trial
少なくとも1種類の化学療法を行った後に進行した転移性メルケル細胞癌の患者さん88例に対してアベルマブを投与した試験。結果は、88人中28人が奏効し、完全奏功した患者は8人だった。

バベンチオ(アベルマブ)の口コミ

医師のコメント

その他医療関係者のコメント

バベンチオ(アベルマブ)の治験情報

1)Avelumab in Subjects With Merkel Cell Carcinoma (JAVELIN Merkel 200)

治験の概要

転移性メルケル細胞癌患者さんに対してアベルマブを投与して、その有効性(奏効率)を検証する治験

治験の期限

2017年9月

参考資料

1)がん情報サイト
2)日経メディカル(4)皮膚のメルケル細胞癌


科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン


この記事に利益相反はありません。

人気記事