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「悪液質という言葉をご存じですか?」オンコロ・ワンクエスチョンvol.28

[公開日] 2024.06.26[最終更新日] 2024.06.26

オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン!
その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています!
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質問

「悪液質という言葉をご存じですか?」

結果・解説


今回のワンクエスチョンのテーマである「がん悪液質」という言葉について、意味をよく知らない・知らない方が6割ほどいらっしゃる結果となりました。
そのため、がん悪液質とは何か、そしてその治療法について解説いたします。

がん悪液質とは病状の進行に伴い、体重減少、低栄養、消耗状態が徐々に進行していく状態を示します。
言い換えると、「身体が吸収しようとしている栄養を、がんが吸収してしまうことによって身体が衰弱していく状態」のことをいいます。
悪液質の診断基準は明確ではありませんが、体重減少、特に筋肉量(lean body mass:LBM)の減少が特徴的です。
通常の飢餓との違いは、飢餓は「食べられずに痩せる」のに対し、悪液質は「食べても痩せる」ことにあります。
具体的には、飢餓による体重減少の場合LBMは維持され、基礎代謝が下がりますが、悪液質ではLBMの低下・炎症性サイトカインや基礎代謝の上昇が確認されます。

がん悪液質に対する支持療法の効果を高めるためにも、悪液質に対して早期の段階からの治療が必要とされます。
支持療法の内容としては、薬物療法に加え、患者さんの身体機能に合わせた運動療法、適切な栄養管理、身体的・心理的負担に対する心理社会的介入など複数の治療を組み合わせて対応することが重要です。
なお、治療内容や患者さんの状態によって行える運動療法、栄養管理は変わっていきますので、それぞれ専門職である理学療法士や管理栄養士の指導のもと適切に行ってください。

がん悪液質に対する薬物療法について、現段階(2024年)では標準治療(科学的根拠に基づいた現時点で最も効果的な治療)として定められているものはありません。
しかし治療薬がないわけではなく、2021年にがん悪液質に対する治療薬「アナモレリン」が国内で初承認され、治療薬を国内でも使用できるようになりました。
アナモレリンは食欲亢進、筋肉量増加による体重増加効果が認められています。
※アナモレリンの使用だけで筋力が回復するわけではありません。適切な運動療法を併用する必要があります。
▼承認時の記事「『がん悪液質』の治療薬登場で食欲不振や体重減少に悩む患者のQOL改善に期待

また、2024年5月31日~6月4日に行われた米国臨床腫瘍学会2024(ASCO 2024)にて、悪液質に対する多角的なアプローチの効果を検討したMENAC試験の結果が発表されました。
▼学会の記事「進行がん患者さんの悪液質に対する複合的介入、標準治療と比較して体重減少を遅らせる可能性

がん悪液質の治療や日々の生活のこと(食事や運動など)にお困りの際にはためらわずに医療者にご相談ください。

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