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【後編】「たった一人のために伝え続ける」梅宮アンナさん特別インタビュー

[公開日] 2025.03.19[最終更新日] 2025.03.25

突然、ステージ3Aの乳がんと診断されて。 モデル、タレントとして活躍する梅宮アンナさん。2024年5月にがん告知を受けてからその治療状況について積極的に発信し続けています。 後編では治療選択、ご自身の治療について発信し続けることに対する思いを伺いました。 (前編はこちら:https://oncolo.jp/blog/250319_interview01

治療選択について

藁をもつかむっていう言葉がありますけど、そういう風になってはいけないなと思って。なぜ、私が標準治療をいいと思っているのかというと、現に社会復帰をしている人がたくさんいるんですよ。標準治療、放射線、抗がん剤を利用している方々の方が断然多いんですね。 CVポートを入れるときに保険の中でできる治療がこんなにも最先端の機器を使っていて、先生がモニター見ながら入れていく様を想像したら、感動して。この金額でこんなにも素晴らしい治療が受けられるんだと思って。号泣しちゃいました。

なぜポジティブに発信し続けるのか

人に伝えていくっていうことができる職じゃないですか。この体験はみんながみんなするものではないから、これを無にするのやめようと思い、今の世の中で当たり前とされてるSNSで残していこうって思ったんです。誰かがこれを読んでくれて、「そっか、じゃあ私も頑張んなきゃ」という気にさせるのが、私の役割かなというのがあります。コメントもたくさんいただきますが、伝わってるんだなって思うのが、実際に私のところに来てくれて涙しながら「本当にもう毎日いつもInstagram見てるんです。本当にあなたのやってることはすごい」と言われたり、「私も昨日(手術を)やりました」と言われたり、そういう仲間がいて、私たちにしかわからないこともいっぱいあって、そういう意味でSNSをやっていてよかったなと思います。

芸能活動とがん

芸能界的に言うとがんは隠した方がいいと、当時のマネージャーさんにはいわれました。でも私はその考え方がもう古いと思っていて。今まで30年間自分のやっていたお仕事が、ファッションだったり、美というものが私の中では繰り返しになっていて……。実はずっとなにか新しいことがないかなと思ってたんです。そのタイミングでがんになって、「そうだ、がんのお仕事をしよう」と思ったんです。来るかどうかもわからないけれども。今までの仕事にしがみついちゃうときめていたら、多分そうは言えなかったと思う。 当時、先生からも最初は「公表しない方がいいんじゃないか」という意見は言ってくださってたんですよ。「アンナさんは(ステージ)3Aでしょ。お仕事を考えたらお仕事がなくなっちゃう可能性がすごくあります」と、すごく心配してくれた。そこで、「心配はいらないよ」、「私、新しい仕事をするから、公表をしたいんです」と。 もちろん計算通りにもいかないですが。ただ、隠すといってもどうやって隠すのかなと思ったんです。髪の毛はなくなっちゃって、病院でいくらマスクしてても絶対わかるんですね。こそこそというか、みんなが勝手にいろいろと言ってしまうのも想像がつくから、ちゃんと言おうと。例えば、親にも言えませんという方もいて、私は秘めていくことはできなくて。だから逆に言わなくて、そういう風に頑張ってる人もすごいなと思って。私は多分、隠す力がないから、もちろん家族も理解してみんなで協力し合いながら、周りも協力してくれている。そういう意味では、言わないと多分、私は生きられなかったかなと思っています。

応援とアンコンシャスバイアス

アンチのコメントで言われてしまうのが、「がん(患者)らしくしておけ」みたいな感じですね。私が元気に振る舞うことで、世の中じゅうの人を元気にできる、というのは違うと思うんですが、例えば、うまく治療が進まなくてっていう人からするとちょっと悔しいな、みたいな気持ちになることも考えながらSNSアップするんです。でも、どっちか寄りにしなきゃいけないとすれば、リアルに発信することしかできないので。もちろん、痛いときもあります。手術の時も痛かったんです。尋常じゃない痛さで、SNSで痛いって言ったんです。こんなに痛いのか、誰も言ってないと。そしたら「痛い痛いうるさいんだよ。お前の話が1番イタい」って言われて。その言葉にうまいなって、感心しちゃったんです。時には「ひどい!」ってなるけど、でもそこにはちゃんとヒントがあるんです。「私、ちょっと言葉が足りなかったね」って思えて、次につなげられるから。 実際に私のところに来て手紙をくれたり、涙を流しながら言ってくれたりするのを見ると、この世界でたった1人でもいいから、私のSNSをみてよかったって思える人がいればいいと思っていて。嫌味を言われちゃうと、グサッと刺さることあります。でも、やり続けなきゃいけないなという思いがあります。 治療中の支えは、吐き出す場所を自分で作ったことだと思うんです。自分の居場所はやっぱり自分で作るんだなっていうのはすごく痛感していて。実際、公表したことによって失った仕事もあります。だから、こんな社会じゃいけないと思ったし、こんな芸能界じゃいけないと思ったんです。とにかく私は世の中が、「がんでも仕事をちゃんとできるんだ」と、相手も成長していかなきゃいけない、こっち(がん患者)も成長していかなきゃない、お互いがやっぱり勉強も必要だなと思うし、そういう社会になってほしいなってすごく思っています。 本記事は下記の笠井信輔さんとの対談動画をもとに作成しております。詳細についてはぜひ、動画をご視聴いただけますと幸いです。 【 #乳がん 】「笠井信輔のこんなの聞いてもいいですか on the WEB」2025 #54 ゲスト:梅宮アンナさん(後編)
オンコロブログ 乳がん がんサバイバー乳がん梅宮アンナさん笠井信輔のこんなの聞いてもいいですか?

豊武あやの

工業高等専門学校(高専)卒業後、自動車部品メーカーに入社。実体験から医療の世界に興味をもち、転職。広告代理店でのメディカルライターを得て、2024年4月オンコロに参加。

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