Q.逆に、「つらかったかかわり」の回答で、最も印象に残ったものはどのようなものでしょうか? こちらもやはりいずれも胸の痛むようなエピソードばかりですが、p.42の「同僚が私は検診に行ってまだ大丈夫だったーと言っていた。いいなーと羨ましく思った」が特に気になりました。私も罹患後に、友人などに「検診は行っておいたほうが良いよ」と伝えていましたが、こちらがそう言ってもいないのに、向こうから「大丈夫だったー」と言われていたら「自分は何かいけないことをしたんだろうか…」といった気持ちを抱いていただろうなと思います。 (画像は調査報告書より)
Q.調査を実施する前の予想と調査結果の間に、良い意味でも悪い意味でもズレはありましたか? ズレと言うのはあまりありませんでした。どちらかと言うと、ある程度仮説としてもっていたことが結果として出てきた印象です。「罹患者はうれしいかかわりの反面、つらいかかわりもそれなりに受けているだろう」「本当に求めているものは、罹患者主体のかかわりであり、傾聴や共感、適度な距離感などが必要」など。このあたりは実際に、「『寄り添い方』ハンドブック」でも訴えてきました。 1つだけ言えるのは、辛いかかわりの事例のなかには、想像以上にきついものも多々あったということ。「がんに罹患した人の前でどうしてこういうことが平気で言えるんだろう?」と、ズレと言うよりも悲しい気持ちになりました。 Q.この調査結果を受け、がんチャレンジャーとしてどのような活動を行っていきたいですか? やはり上記のつらかったかかわりのような悲しいエピソードを1つでも減らしていけるよう、引き続き、「寄り添い方」ハンドブックやYouTube番組(「寄り添い方」体験談)などを普及させていき、罹患者にかかわる多くの方に、情報提供をしていきたいです。 Q.最後にオンコロ読者にメッセージをお願いします。 読者の方の中には、サバイバーの方も多いと思うのですが、つらいかかわりをされているのは皆さまだけではありません。多くの仲間もそういった経験をし、またなんとか乗り越えようとされています。ぜひ、そのことを知っていただきたく、皆様にも「寄り添い方」ハンドブックやYouTube番組(「寄り添い方」体験談)を観ていただけたらうれしいです。 ■関連リンク ・がんチャレンジャー 「寄り添い方」に関するアンケート(がん罹患経験者対象)調査集計結果 ・オンコロ 【中咽頭がん体験談】ステージⅣからのチャレンジ(花木さん体験談) ・オンコロ がん罹患し復職した、とある子育てがんサバイバーのお金の話(花木さんインタビュー)