動画タイトル:【遺伝カウンセリング】#がん と #遺伝子 何がわかる?何を相談できる?
講師:田辺 記子先生(埼玉医科大学総合医療センター ゲノム診療科 遺伝カウンセラー )
司会:笠井信輔さん(フリーアナウンサー、がんサバイバー)
ライブ配信:2026年2月18日/編集動画公開:2026年3月5日
※この記事はセミナー動画「【遺伝カウンセリング】#がん と #遺伝子 何がわかる?何を相談できる?」をもとに作成されています。治療法やその開発段階については、セミナー実施時点のものであることにご留意ください。
「家族にがん患者が多いけれど、自分もがんになるのだろうか」「がんが子どもに遺伝したらどうしよう」そんな不安や疑問を抱えたことはありませんか?がん医療において遺伝子の存在感が増す今、個人の生まれ持った体質や家族のがんに関する相談の窓口である「遺伝カウンセリング」の重要性が高まっています。今回は、知っているようで知らない遺伝カウンセリングの基礎知識と、その役割をわかりやすく解説します。
混同しやすい「2つのがん遺伝子検査」の違い
まず、現代のがん医療で行われている遺伝子検査には、全く異なる2つの目的があります。 がん治療のための遺伝子検査:がん細胞そのものの遺伝子変化を調べ、最適な治療薬(分子標的薬など)を選ぶための検査。がんは後天的な遺伝子の異常が積み重なってできるため、これは「生まれ持った体質」とは異なります。 生まれ持った体質を調べる遺伝子検査:親から子へ受け継がれる「がんになりやすい体質(遺伝性腫瘍)」があるかどうかを調べる検査。 「がんそのものが遺伝する」わけではありません。しかし、がんになりやすい特定の体質(遺伝子変化)が親から受け継がれることはあり、もし親がその体質を持っていた場合、子どもに受け継がれる確率は50%となります。 ※がんに罹患しやすい体質が受け継がれる確率は、種類によって異なります(50%とは限りません)。認定遺伝カウンセラーは「共に迷い、備えを考える」パートナー
全国にまだ460人弱しかいない「認定遺伝カウンセラー」は、この生まれ持った遺伝的体質に関する不安や悩みに寄り添う専門家です。 単に知識を一方的に提供するのではなく、十分な時間をとって相談者の話に耳を傾け、これまでの人生や家族の背景(家族にどんながん患者がいるかなど)を一緒に整理します。「遺伝子検査を受けるべきか、受けないでおくか」という葛藤の段階から寄り添い、意思決定をサポートしてくれます。「陽性」は終わりではない。具体的な対策へシフトするための情報
もし検査を受けて結果が「陽性(がんになりやすい体質がある)」と判定された場合、ショックを受けるのは当然です。しかし、そこから具体的な対策を考えるスタートであると考えましょう。 個別化された検診で早期発見を狙う:遺伝性のがんは、一般的な健康診断や人間ドックでは見つかりにくい種類のものや、通常より若い年齢で発症するといった特徴があります。あらかじめリスクがわかっていれば、より若い年齢から、その体質に特化した検査を定期的に受けるなど、効率的な「早期発見のプラン」を組むことができます。 予防的切除という選択肢:がんを発症する前にリスクのある臓器(乳房、卵巣・卵管など)を予防的に切除する治療法があります。現在では、この予防切除も日本で一部保険適用が認められるようになっています。 家族との危機管理とライフプラン:自身の体質を知ることで、子どもや兄弟といった血縁者に対して「いつ、どのように伝えるか」をカウンセラーと相談しながら準備できます。また、禁煙などの生活習慣の見直しを含め、実生活における具体的な備えを進めることも可能になります。相談を希望する場合のルート
遺伝カウンセリングは、がんを経験したことがない方でも、家族歴が心配であれば相談に訪れることができます。 まずは現在かかっている主治医(がんの治療中であればその担当医)に相談し、「ゲノム診療科」などの遺伝専門外来がある病院へ紹介状を書いてもらうのが最もスムーズなルートです。本記事は動画の要点をまとめたものです。動画内では、田辺先生による「子どもへの遺伝の伝え方」の年齢に応じた具体的なアプローチや、検査結果を家族で共有する際の実践的なアドバイスなどが、がんサバイバーである笠井氏のリアルな視点と共に丁寧に語られています。正しい知識を得て未来への備えを整えるために、ぜひ動画本編をご視聴ください。



