動画タイトル:【#食道がん 】現状と最新の試験結果!今後、治療はどうなる?
講師:白石 和寛先生(名古屋医療センター 腫瘍内科)
ライブ配信:2026年4月10日/編集動画公開:2026年4月23日
※この記事はセミナー動画「【#食道がん 】現状と最新の試験結果!今後、治療はどうなる? 」をもとに作成されています。治療法やその開発段階については、セミナー実施時点のものであることにご留意ください。
概要
現在、日本における食道がんの約9割は「扁平上皮がん」と呼ばれるタイプで、主にお酒やタバコが危険因子とされています。食道がんは心臓や肺などの重要臓器に囲まれているため、進行度(ステージ)に応じて内視鏡、手術、放射線、そして抗がん剤などを組み合わせる「集学的治療」が行われます。その中でも近年、手術が難しい「切除不能・進行・再発」の食道がん治療において、薬物療法が飛躍的な進化を遂げています。
免疫チェックポイント阻害薬がもたらす「長生き」への希望
これまで進行食道がんの抗がん剤治療は、CF療法(シスプラチン+フルオロウラシル)が中心でした。しかし現在では、この化学療法に「免疫チェックポイント阻害薬(ペンブロリズマブ、ニボルマブなど)」を上乗せする治療が標準となり、患者さんの生存期間が大きく延びています。さらに、2種類の免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせる治療(ニボルマブ+イピリムマブ)も登場しました。この治療法は、患者さんによっては非常に長く効果が期待できることに加え、「次に行う別の抗がん剤治療(2次治療)の効き目を高める」という可能性も示唆されています。
患者さんの負担を減らし、QOL(生活の質)を保つ工夫
治療の効果が高まる一方で、副作用や体への負担を減らす取り組みも進んでいます。
腎臓に優しい治療の選択:従来のシスプラチンは腎臓への負担が大きく、大量の点滴(補液)が必要でした。そのため、高齢の方や心臓・腎臓に不安がある方には、より負担が少ない「オキサリプラチン」を用いた治療(FOLFOX療法)が新たな選択肢として注目され、免疫チェックポイント阻害薬との併用も期待されています。
「食べられない」苦痛(通過障害)の改善:食道がんが大きくなると食事が通らなくなる「通過障害」が起こります。従来は放射線治療を併用して症状を和らげていましたが、現在は効果が高まった「免疫チェックポイント阻害薬+抗がん剤」の力だけで、放射線を使わずにがんを縮小させ、食事を通るようにする新たな臨床試験も進められています。
診断時からの「緩和ケア」の重要性
がんの治療において、緩和ケアは「終末期のもの」というイメージがあるかもしれません。しかし現在は、ステージを問わず診断された初期段階から、病気や治療に伴う体と心のつらさ、社会的な不安を取り除くために緩和ケアを並行して行うことが非常に重要視されています。
本記事は動画の要点をまとめたものです。動画内では、専門医による最新の臨床試験データ(KEYNOTE-590試験、CheckMate 648試験など)のさらに詳しい解説や、患者会代表の髙木さんから寄せられた「自分に薬が効くか事前に見極められるか?」といった患者目線での質問への回答も収録されています。ご自身やご家族のこれからの治療についてより深く知りたい方は、ぜひ動画本編をご視聴ください。