動画タイトル:【#大腸がん 】治療と今後の発展!大腸がん治療の2026年版
講師:梅垣 翔先生(愛知県がんセンター ゲノム医療センター)
ライブ配信:2026年3月13日/編集動画公開:2026年3月19日
※この記事はセミナー動画「【#大腸がん 】治療と今後の発展!大腸がん治療の2026年版」をもとに作成されています。治療法やその開発段階については、セミナー実施時点のものであることにご留意ください。
概要
大腸がんは、大腸の表面の細胞が異常に増殖して腫瘍となり、周りの臓器や全身に広がっていく病気です。近年の研究により、大腸がんの発生や進行には「遺伝子の異常」が深く関わっていることが分かってきました。
がん細胞を無制限に増殖させるスイッチが入ってしまう「がんドライバー遺伝子」の異常や、がんの発生を抑える「がん抑制遺伝子」の機能低下など、そのメカニズムを理解することが、現在の大腸がん治療を知る上で非常に重要になっています。
血液で「目に見えないがん」を捉える最新検査
ステージ1〜3の大腸がんの基本治療は手術ですが、手術後に目に見えない微小ながんが残り、再発につながることがあります。従来はがんの進行度(ステージ)などを基準に再発リスクを予測し、術後の抗がん剤治療を行っていました。
しかし現在では、がん細胞から血液中に漏れ出した遺伝子(ctDNA)を調べることで、目に見えないがんが残っているかを高精度で評価する新しい検査が登場しつつあります。これにより、再発リスクが高い人にはしっかり治療を行い、低い人には治療を省略するといった、より患者さんに合わせた治療方針が立てられるようになっています。
遺伝子変異に合わせた最適な薬物療法
手術が難しい進行・再発の大腸がん(ステージ4)では、薬物療法が治療の中心となります。ここで鍵となるのが、患者さんごとの遺伝子異常に合わせた「個別化医療」です。
治療前にはがん細胞の遺伝子を調べ、大きく分けて「MSI-High」か「MSS」かを判定します。MSI-High(ミスマッチ修復遺伝子の異常があるタイプ)の場合は、免疫の働きを利用する「免疫チェックポイント阻害薬」が有効であることが分かり、最初の治療として使われるようになりました。一方、MSSの場合は「RAS」や「BRAF」といった特定の遺伝子変異の有無を調べます。これらの変異がない場合は、がんの増殖シグナルを元からブロックする「抗EGFR抗体薬」を抗がん剤と組み合わせて使用します。
さらに最近では、BRAF変異や、これまで薬がないとされていたKRAS変異(G12Cなど)に対する新しい分子標的薬も次々と登場しており、治療の選択肢は飛躍的に広がっています。
「知る」ことから始まる納得の治療
動画の後半では、SNS型の患者コミュニティ代表の方から「副作用の違い」や「遺伝子パネル検査を受けるタイミング」など、患者目線の切実な疑問が投げかけられます。
遺伝子を標的とする新しい薬は、従来の抗がん剤とは異なる特有の副作用(目の症状や自己免疫疾患に似た症状など)が出ることがあるため、治療前にしっかり説明を受けることが大切です。また、特定の遺伝子変異がない場合でも、「がん遺伝子パネル検査」を受けることで別の有効な治療法が見つかる可能性もあります。
本記事は動画の要点をまとめたものです。動画内では、梅垣先生による遺伝子変異の詳しいメカニズムや、次世代の治療薬(ADCなど)の開発状況に関する図解を交えた解説がより深く丁寧に語られています。ご自身やご家族のこれからの治療方針を考えるヒントとして、ぜひ動画本編をご視聴ください。